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■ あと、韓国でもパンクラスの映像が流れることになりました。
: 韓国?
■ 韓国のSKY KBSって言うんですけど、旗揚げから現在まで120試合を放映します。11月から放映が始まります。向こうの格闘技マニアの人たちはパンクラスを知ってるんですよ。それで聞いてみたんですが、2つあって、まず1つは「スカイパーフェクTV!」を韓国で受信してるんです。日本で買って、日本の知り合いがお金を払って、韓国で受信して見てるんですね(笑)。
あと1つはWebサイトでのダウンロードです。1000ウォン、約100円で1興行見れるんだそうです。(苦笑)
韓国の人達にもこれからはちゃんと韓国の放送として見てもらえますね。これはとてもうれしいですね。7年前(選手を探す為に渡韓)からの目標でしたから。
: それにしてもこのところ韓国がアツイですよね。それでパンクラスも韓国で放映されるし、何かタイミングも合ってますよね。
■ 向こうで格闘技は人気ありますからね。僕も2大会観てきましたけど、1回目は超満員でしたから。もともと『MCスピリッツ』っていう大会が5月にあって、それをたまたま観に行ってたんですよ。プロの大会でトーナメントだったんですけど、超満員なんですよ。で、その『MCスピリッツ』が3つに分かれたんです。『MCスピリッツ』は韓 泰 潤がやってて(笑)、あと『ネオファイト』っていう大会と、11月に立ち上がるのが『KOキング』(*)っていうんですけど、これが金 宗 王(笑)。なんかどっかで聞いた名前が2人なんですけどね。2つはもう興行もやってて、凄く盛んなんですよね。これにもう何個か立ち上げようって言う話もあるらしいんですけどね。今のところは3プロモートってところです。で、パンクラスも提携っていうか、交流しましょうって言ってきたところです。金も韓も頑張ってますよ。この前もソウルで韓に会いましたが、もう選手を離れてビジネスマンという感じでした。
(*)インタビュー後、延期が決定
: どこと交流するんですか?
■ 『ネオファイト』です。韓 泰 潤に金 宗 王もいるのになぜって言うのはあると思いますが(笑)。ちなみに今度後楽園ホール大会(10/31)に出るハー・スン・ジン選手って言うのはMCトーナメントで2勝している選手なんですが、改めてパンクラスからも学びたいって言うことで留学に来ます。昔で言えばフランク・シャムロックもガイ・メッツアーもバス・ルッテンもそうでしたけど、試合をしながら試合が終わったら日本に残って練習をして学んでいくって感じだったんですね。だから今回もそういう感じになります。凄く真面目で、あと凄くシャイですね(笑)。ただ身体は182cmの95kgだから全盛期の船木みたいな感じですね。韓国の選手は強いですよ。基礎体力はあるし、骨は太いし、軍隊経験もあるし。そういう選手がいっぱいいるんですよ。あと、向こうではハッキドウってあるんですよ。
: 発する気の道ですか?
■ いや、漢字では合気道って書くんですけど、日本の合気道プラス、テコンドーなんですよ。で、それのチャンピオンですね。
: 韓国の選手の情報をお聞かせいただきたいんですが、総合格闘技のプロファイターっていうのはいるんですか?
■ 今、物凄い数が出てきてます。『MCスピリッツ』と『ネオファイト』って言うのが興行をやってて、韓国の選手がドンドン出てるんですよ。パンクラスの受け入れ態勢の問題もあるんですけど、その辺がクリアになってきたらもっと交流したいですね。向こうの選手も育てていければいいなと思いますね。まだ技術が荒い所があり、あるテコンドーの選手なんかはテコンドーの技しか出さなかったりするんですが、これが実に頼もしいというか、迫力がある。これからの韓国の格闘技界は面白くなると思いますね。実り多かったですよ、2泊3日の強行軍でしたけど(笑)。
: そうですね。逆にパンクラスの選手が韓国でもやるようになっていったらいいですよね。さっきの年14回興行の中に、いつか韓国大会っていうのも入れて欲しいですよね。
■ 韓国もそうなんですけど、近い将来、インドネシアも含んで日本だけじゃなくてアジア大会っていうレベルまでやりたいと思ってますから(笑)。やっぱり目標がね、総合格闘技を日本だけじゃない、世界のどこででも行われるようにしたいじゃないですか。だから日本だけが突出しているんじゃなくて、どこの実力も拮抗してるっていう風にするのが目標でもあるんですよ。インドネシアに、韓国、あとタイとも提携させてもらっているジムがありますしね。
: いや、それ本当に見たいですね。パンクラスの11年目は外、日本の外に出て行って闘って欲しいですね。あと格闘技サミットっていう話がありますが、あれはどうなっているんですか?
■ 出来るだけ早いタイミング、出来れば今年中に行えればいいと思ってます。そのための下準備も進めています。
: 大会というよりまず話し合いをって事なんでしょうか?
■ そうですね。まずトップ同士で話し合いましょうって感じです。プロモーターや、選手を育てているジム、出来るだけ多くの関係者でまず意見交換をしましょうと。そもそも最初にこの仕事を受けた時は決して本意じゃなかったんですけど(笑)、今じゃもう総合格闘技大好き人間になってしまったんですよ。
パンクラスも大好きだし、それを取り巻く総合格闘技界も大好きですしね。そんな中で10年やってきて、コレを後世に残せなかったら寂しいんですよ。やっぱり残していきたいんですよ。総合格闘技が好きな者としては自分が死んだ後のことも考えていきましょうと。50年、100年先のことも考えてやりましょうと。総合格闘技はこの10年で飛躍的な進歩を遂げました。今がチャンスだと思うんです。いつまでも俺が俺が!でパイの食い合いをしても駄目だと思うんですよ。少なくともボクシングのようにはなれないと思います。WBA、WBCはあってもいいと思うんです。でもWBAとWBCは分かれてても“ボクシング”っていう枠の中で闘いますから。統一戦も行われるし、オリンピック競技にもなっている。そういうところにまで総合を持っていくためには、サミットをしてとりあえず日本をまとめて、次はヨーロッパ、アジアをまとめると。壮大で、無理かもしれないですよ。でも無理だと言ったら始まらないんですよ。やるしかないんです。ボクシングが目標だとは言いませんが、手本にはするべきだと思いますね。このサミットがまず足がかりになれば良いと思ってます。さっきチャンスだとは言いましたが、ピンチでもあるんです。チャンスなのは、普及はしてきたけどまだまとまりきれていないから。ピンチなのは、この状態が続いていくと、みんながテンでバラバラに動いちゃって、それぞれが小さくまとまっちゃって勝手にやってします。そうなるとオリンピックなんて無理ですよね。世界で普及しだしてっていっても、やっぱり日本が一番多いんですよ。プロモーターしかり、選手しかり、ジムしかり。日本がまとまれば先が見えてくると思うんです。偉そうかも知れないですけど、この業界で総合格闘技を愛していないんだったら、去って欲しいなと僕はそう思いますね。でも、その前に僕が去っちゃったりして(笑)。
: それでは、今の社長のお言葉を持って今回のkeynoteを締めさせていただきましょうか(笑)。本当にありがとうございました。
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