update:2004.11.14
過去・現在・未来。11.13.新日本プロレス『闘魂祭り』“DESTINY”鈴木みのるvs佐々木健介戦レポート
■ 第8試合 IWGP ヘビー級選手権試合(60分1本勝負) | ||||
○佐々木健介 (健介OFFICE) |
鈴木みのる× | |||
(19分59秒、ラリアットから体固め) |
: 16年ぶりの一騎打ちでしたが、今、どんなお気持ちかですか?
■ 鈴木みのる:何もない。何にもない。
: それは出し尽くしたという事でしょうか?
■ 鈴木みのる:今、出来る事はやったと思うけど。あ〜、もう、どうでも良いよ、もう。そんな事は。
: 気持ちが良かった?
■ 鈴木みのる:それもわかんない。すごい苦しかったし、痛かったし。あ〜・・・。だけど、思いっ切り技かけれたし。技術的なことを言うと、良かったのは最初だけだと思うよ。
: と言うと?
■ 鈴木みのる:だって、あいつにラリアットやってみたくなっちゃったんだもん。やったことねぇのに。痛って〜。ほら、色変わっちゃった(※と言って右腕を示す)。
: いつもの鈴木選手らしくない部分もあったと思いますが。闘い方として。
■ 鈴木みのる:何か、途中でどうでも良くなっちゃった。持ってるもの、知ってるもの、全部やりたくなっちゃった。
: ですけど、そういう闘い方をしたことで、後悔はないのでは?
■ 鈴木みのる:ないよ。
: 16年間、お互いがどういう道を歩んで来たかっていうのを、見せ合ってるような感じがしました。
■ 鈴木みのる:ん〜、『オッ! こんなの知ってる』とか、『お前、こんなの知ってる?』って、何か技で会話してたような気がする。『お前、こんなの出来ねぇだろう』って。そんなの、お互いにやり取りしたような気がしますね。
: 16年前に対戦した時と比べて、佐々木選手はどう変わっていました?
■ 鈴木みのる:一緒だよ。相変わらず、馬鹿で、ぶきっちょで。どうしようもなく、クソ生意気で。アッ! 俺か(苦笑)。でも、もう、今までのことはどうでも良いよ。どうでも良くなった。ああ。恨んでた自分も、もういないしね。
: すっきりした分、リング上でお互いの健闘を称えあえたという感じですか?
■ 鈴木みのる:俺とあいつにしか、多分、出来ない試合だと思いますね。
: 今回、IWGPの挑戦者としてリングに立った訳ですが、そのことに関しては?
■ 鈴木みのる:どうでも良いよ、もう、そんなものは。鼻クソみてぇなベルト。そんなものより大事なのものは、俺のここん中(※と言って胸を押さえて)にあるから。ここまで来てるんだし。だから、あいつとまた闘ったんだし。そんな、ただの鉄の固まりじゃねぇか、あんなもん。そんなものじゃ、俺のこん中にあるものは買えない。誰もが俺から奪うことも出来ねぇし。どうでも良いよ。
: また、佐々木選手と対戦したいと思いますか?
■ 鈴木みのる:もちろん。
: これからも?
■ 鈴木みのる:これからも。ブッ飛ばしてやるよ! ただ、頭痛いんですよ、今。何食らったかもわかんないけど。ただ、気持ち良かった。あ〜、すっきりした。これで全部、すっきりしました(※と言って立ち上がる)。あぁ、立ってる立場が一緒。向かい合ってる敵も一緒。出来れば一緒にやってみたい・・・
(※と独り言のように話して、会見場を後にする)。
: 今、試合を終えて、率直にどんなお気持ちですか?
■ 佐々木健介:いや、何かもう・・・。もう、何かホントすっきりしたって感じですね。もう、この2年、3年の間で、色んなものがあったじゃないですか。それで、同じリングに立ってんのにシングルマッチが出来ない。そういう何か、イライラしたもんもあったし。今日、タイトルマッチっていう形だったけど、別に今日の試合っていうのは、ただベルトがどうのじゃなくて、俺は鈴木と何かやりたかった。それで、同じ大阪で・・・昔、16年前にね、『またやろう』って約束した。まぁ、俺ん中でベルト懸かってるからメインっていう気持ちもあったけど。でも、こういう試合順番になったけど、でも俺は何か、今『どうでも良いな』っていう感じがしてますよ。本質的には、ほんとメインだって気持ちはあるけれども。鈴木と試合が出来たっていう気持ちが、一番嬉しいんですよね。
: 鈴木選手も「どうでも良い。すっきりした」っていう事を言ってました。
■ 佐々木健介:そうですか。何かもう、俺達はさ、もう16年前から1試合目で、テーマ曲もなかった。そんな中、リングに向かって、試合をしてたんですよ。そのテーマ曲もなかった俺達が、今こうやってね、このIWGPのベルトを懸けて試合出来たっていう、これだけで俺は何か胸が一杯ですよね。
: 思わず、試合が終わってリング上で抱き合いましたが、どんな気持ちだったのでしょうか?
■ 佐々木健介:まぁ、鈴木も俺に水をブッかけてくれてね。俺も「水に流そう」みたいな。もう、何か、やっぱり俺達は闘う人間なんでしょうね。お互いやっぱり見えなかった部分があったけど。すっきりした。いや、何かもう、レスリングからずっと入ってやったけど。まさか鈴木とああいうレスリングになるとは思わなかったし。でも、何かやってるうちに、何か、何か入っちゃうんですよね。今、現在、試合をやったじゃないですか。でもね、試合の中でポーンとね、昔に戻っちゃうんですよ。で、またね、ポーンとね、現在に戻っちゃうんですよね。何かその、『バック・トゥー・ザ・フューチャー』じゃないけどさ、何か過去に行ったり、現在に来たり、また、未来に行くものが見えたりとか。何か、良かった。何か、何かもう、自分達の気持ちの中で、良かったなと思いますね。
: 16年前と鈴木選手は変わっていましたか?
■ 佐々木健介:ん〜、変わったとこって言ったら、あの憎たらしい口と、憎たらしい顔だよね。だけど、あいつの何て言うの、この辺(※胸を示して)の気持ちっていうのは、変わってなかったですよ。
: お互い、16年間の間に身につけたものを見せ合ってるみたいな、そんな印象もありましたが?
■ 佐々木健介:そうですね。昔の俺達と今の俺達を、何か、試し合ってるっていうか、競い合ってるっていうか。何か、そんな感じがしましたね。
: 何か鈴木選手は、どうしてもラリアットをやりたかったと言ってました。
■ 佐々木健介:やってきましたね(笑)。ほんとビックリしましたけど。やっぱ、それもね、昔、鈴木は猪木さんの付き人をやったり、俺は長州さんの付け人をやったり。それもだから、2人の技で出たっていうことは、やっぱり何か戻っちゃってたんですよね、やっぱり。その時に。過去に戻って、何か過去の気持ちのまま試合に入ったり。そして、今のリングに戻ったりという。何か、やってて今日、すごく何か不思議な感じでしたね (笑)。でも、それだけ俺達の間に、間が空いてたと思うし。時間が経ち過ぎたと思うんですよ。だけど、今日のこの試合がもし無かったら、多分もう無かったかも知れないですよね。チャンスが来なかったかも知れない。
: 今後もまた試合が行われる可能性がありますが、またやってみたいと思いますか?
■ 佐々木健介:そうですね。あいつとは、もう、多分ずっとやってると思うし。何か、良い感じですね(笑)。
: 鈴木選手は「組んでみても良いな」と言ってましたが?
■ 佐々木健介:うん。そうだね。組んでもまた面白いんじゃないかな。やっても面白いし、組んでも面白いと思うし。まぁ、外敵同士で組むっていうのも、また面白いんじゃないのかな。今まで同じ外敵だったけど。やっぱ鈴木と俺っていうのは、やっぱ闘ってきたしね。多分、共通点はあると思うんですよ。倒す奴が一緒っていうのがあると思うんだよね。それもまた、俺は面白いと思いますね。何か、さっきから何回も言っているけど、現在と過去と未来っていうのが、何か今日、見えた感じがしますよ。
: 未来に向けて2度目の防衛を果たしましたが、ベルトが更に輝いたのではないですか?
■ 佐々木健介:うん。フッフッフッ(笑)。うん。まぁ、今、もう何か胸一杯で、何か冷静な判断が出来ないですけど。だけど、今、この俺の気持ちで、何かこのベルトは離したくないなっていう気持ちですね、今。
: 最後に、今日の試合を終えて気持ち良かったですか?
■ 佐々木健介:はい。気持ち良かったです。すっきりしました。
Photo Copyright:M.GIGIE
■ 取材協力:格闘魂
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