第7試合 (5分2R) ライトヘビー級トーナメント準決勝
○高橋義生(1R 3分20秒、反則勝ち)マルセロ・タイガー×

この試合は説明するのも言葉が重くなると言いますか、言葉が遠のく内容でした。内容は打撃の打ち合いから前進するタイガ−選手、それをフロントチョ−クで切り返していく高橋選手、という流れの中で、高橋選手がガ−ドポジションをとるというスタ−トになりました。序盤の離れた距離での打ち合いで高橋選手、コ−ナ−際のタイガ−選手のパンチがヒットしまして有利に進めて、その後の組合からのガ−ドポジションという形でした。そのグラウンドの中で、1分半位の所で一回目のサミングを岡本レフリ−が注意します。馬乗りにの状態から一見首を絞めに行く、相手の頭を抱き込む様な形で頭を抱き込んだ方の指先で高橋選手の眼球に指が置かれている状態でしたが、それ自体が反則となります。敢えて眉毛、眼窩の所に指が来た場合はグラウンドの場合は基本的に指を離す手をずらすというのが基本理念です。ですからサミングというのは指を突くというのが問題では無くて、まず一番初めに相手の目の上に手を、指を置くというのが問題のような気がします。当たるか否かではなく、野球でいえばバッタ−の顔元にボ−ルを投げるというのがビンボ−ルであってあたんなかったから良いだろうという問題ではありません。投げそこなったわけではなく、明らかにそこに意思として、目の上に指を置く事自体がサミングだという事を選手は認識してもらいたいです。

その後3分20秒、今度はガ−ドポジションから頭を付けて上半身を起こしていく高橋選手を上から引き離す様な形の中で、右手で高橋選手の左目を親指で突いて顔を離して、離れ際にパンチを打ち込むという一つのタイガ−選手の反則の必勝パタ−ンの様です。それでパンチでKOしてしまうと試合としては流れてKO勝ちとなってしまうケ−スが度々フリ−ファイトの場合はあります。我々パンクラスの優れた点の一つとしてレフリ−がコンビネ−ションでサインプレ−を行ないながら、六つの目で常に見るというところで分担作業の点が他リングと違う点です。ですからいち早く反則というものを機敏に対処してる事で見逃す事は絶対にしないという事です。

それでも悲しいかな、高橋選手の目はしばらく開ける事が出来ず、試合後は白目の部分が真っ赤でした。未だ視力も完全に回復していません。身体の部分で目というのは消耗部分です。一回壊れてしまうと、骨の様に折れて完治して以前より強くなる事は絶対無い箇所ですし、脳に近いという事で色々な意味の後遺症が突いて回る可能性の強い所です。ですから、第1回のUFCでも金的もありで本当にフリ−ファイトだよという中でも噛み付きとサミングだけは反則であるという位危険な事です。逆に言うとそれは格闘技でも何でもないと提唱されて事を意図的にしたタイガ−選手はパンクラスのリングには似つかわしくない選手になってしまいました。レイシック選手を1回戦で破っている実力があるだけにクリ−ンなファイトをしてもらいたかったし、大変残念でした。私は以下の様に思うのですが、荒ぶれた相手にマウント、上を取らせてしまう高橋選手にも責任がある様な気がします。さっさっとやっつけて変えれば良かったんです。これは高橋選手に期待するから敢えて言います。付け入る隙を与えるな、と。絶対優勝する為にこの夏、自然に体重が落ちるまで練習をしてきたのだったら試合でそういう立場にならない様にきちんと対処して12月の決勝に何とか間に合わせて良い試合をして、旗揚メンバ−としては鈴木、船木に続くタイトルホルダ−になってもらいたいと思います。

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