第4試合 ライトヘビー級戦 (5分3R)
○佐々木有生(1R 4分29秒、腕ひしぎ十字固め)KEI 山宮×

ここまで勝った試合は全て1本勝ちを収めている流石、勝負師・佐々木選手。技術がきちんとしていなければ出来ないし、並々ならぬ選手です。そして1度はベルトを巻いた山宮選手とどの様な試合をするのかなという、ある部分注目の一戦だった様な気がします。 前試合等を見ていて佐々木選手は打撃等もすごく良い選手なので、序盤からどんどん自分から出て行き、打ち合いの中から組み技にどう意向し、それを山宮選手がどう対処するのだろう?、という様なイメ-ジでいました。ですが試合は予想を反して、蓋を開けてみると立ち合いを制したのは山宮選手でした。開始早々近距離からの、アッパ-ストレ-ト気味の打撃が適確に佐々木選手をとらえて、腰から落ちる様なダウンを奪いました。多分以前のパンクラスのル-ルであれば、ダウンを早く取るレフェリーによってはKO勝ちになる倒れ方を奪う、流石、山宮選手、光るパンチを出して来ました。ですからそのまま試合は終ってしまうのか、このラウンドは山宮選手が取るのかなと思いました。これは観戦していた國奥選手もその様な事を言っていたようです。

ところが、そこから佐々木選手はそれを凌いで、一気に攻撃に転じる勝負強さ。何はさて置き、やはり冷静に対処しながら、まず攻撃をしていく、されたら返して行く、という闘いの基本みたいなものをしっかりと身に付けている、細胞になっています。ですから窮地になっても、そこから返して行くという、強い選手の代表的なパタ-ンを佐々木選手にみた様な気がします。山宮選手にとっては悔しい逆転負けだったんですが、自分から打ちに行く新しいスタイル、今迄は入って来る相手に対してカウンタ-気味にパンチを当てて行くのが得意だったんでした。山宮選手が試合中でダウンをとった時というのは後がない打撃の打ち合いからでした。数年前のダイク選手戦の時に逆転KOをした時、あの様なパンチの打ち方です。お互い打たれて、攻めて相手が打ちに来るところを、自分が懐を取られてるから逆に自分から入って行って逆にKOを取るという様なところが山宮選手の一番強いところだと思うのですが、ここのところ入って来る相手に自分から大きく打って行くとカウンタ-でタックルされてしまう事もあって、相手が打って来るのに対して引きながら合わせるというパンチが続いていたから、その点で山宮選手も自分から前に出てリスクを負いながら闘いましたので、今迄の壁を壊した様な気がします。それが故に序盤戦は打撃巧者の佐々木選手が受け身に回らなければならなかったという事で、両者の力は紙一重だったと思います。それがスリリングな試合に繋がったという事で大変見応えのある、もう一度みたい試合でした。

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