第7試合 NEO BLOOD TOURNAMENT決勝/5分2ラウンド
×北岡悟(1R 0分05秒、KO)門馬秀貴○

試合時間は5秒。先程もお話いたしましたが、お互い勝ちに行くんだ!お互い前に出て自分の主導権で勝ちに行くんだ!という、そのほとばしりがこの5秒だと思います。お互いが躊躇していたらこんな時間にはなりません。今までは6秒だったので、これはきしくもパンクラスの最短記録になってしまいました。北岡選手は悪い意味の記録保持者になってしまいましたが、僕はそんな事はどうでも良いと思います。序盤開始のゴングと共に自分から相手の懐に飛び込んで行きたかった!そして何とか自分の闘いをしたかった!という北岡君の若い欲。それはその欲に負けただから駄目というものではありません。その欲を表に出して行くということが今ネオブラッドの対象の選手には一番必要な事だと思います。今の若い人は、そういう欲を隠すことが美徳としてしまっていて格好つけてしまうんだけれどもそういう事を一切無くして僕は北岡君が序盤から飛び込んで行ったこと、逆にそれに対してもしもそういう機会があったら絶対に膝を合わせるんだという事をきちんと頭に入れて開始のゴングから臨んだ門馬選手。お互い隙あらば一刀で切り捨てようという、そういうシビアな闘いというのが、このリングにあったというのが、僕はネオブラッドの水準もやはり年々上がってるんだなという事を感じました。

このネオブラッド全体を通して僕は一番喜ばしかった事、これはやはり先程お話しましたが、トーナメント準準決勝第1試合の北岡vsアライ戦に象徴されるような若い世代の今まで影を潜めていた俺達はこうするんだという雄たけびというも、そういうスピーディーな勢いというものを後楽園ホールの2300人の観衆にみせてあげられた事です。もう一つ嬉しかったことはこのアライ選手との2Rフルタイムが終了して判定になりました、その時に1ポイントだけ北岡選手がとってるんですが、ドローになりました。1ポイントとった後に自分にコールが来るのかと思ったらドローの判定がでたという時に北岡選手が鬼の形相で誰に向けるとも無く悔しい顔をしました。自分の判定勝利ではないか?という時にドローの判定が出て物凄い悔しいというか怒りにも似た感情をリングの上に出しました。これはビデオで見る機会があったり、テレビで見る機会があれば、そのところが映っていたとしたらそれを見てください。それにパンクラスのネオブラッドに参戦した若い選手、そしてそれを経験したり、これから経験する選手達、闘いを常に強いられている若者達の心の雄たけびみたいな熱さみたいなものを、僕はそれを見れて、それじゃなきゃ闘う男は駄目なんだという事を強く感じて嬉かったです。今まではパンクラスismの選手は格好つけすぎていました。GRABAKAの選手のように勝つことが絶対使命になって追い込まれている選手の強さというものをismの選手は十分今までで感じたはずです。さあここからismの選手は若手はどう反撃していくのか、どう自分達が出て行くのか?それに対して十分余りある実感の持てる後楽園ホールだった、僕はそんな気がしました。


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