第7試合 ライトヘビー級/5分3ラウンド
×佐々木有己(3R 5分00秒、判定/0-2)美濃輪育久○

注目の一戦でした。前回、美濃輪選手が勝っているという事で、そこから月日が立ち、GRABAKA vs ism闘争の中で、お互いが、どんなものを心に秘め、このカードを待ち望んだのでしょうか。前回、マイクで自分の位置づけで世界の佐々木になったんだと言っていた佐々木選手だけに、一気に美濃輪選手に前回の借りを返して、そのイメージを確実なものにしたいという思いだったと思います。美濃輪選手は今度こそ、こいつから一本取ってやろうと、ismの盛り返しをはかりたいところだと思います。

今回、この勝負は3Rフルタイムで、判定2-0で美濃輪選手の勝利という形になりました。この試合、影で演出したのは鈴木みのるのような気がしました。というのは鈴木選手が十月に敢行した合宿に美濃輪選手は一緒について来て、やはりトレーニングをした時に、かなり色んな事に気付かされたし、肉体的部分の変化も十分出て来ました。そういう中で、一つある部分、今までの美濃輪選手の弱点だった部分が一つ克服されました。その中で、一つの自信が彼の構えの変化に僕は繋がったと思います。この勝負のポイント差は何でしょう?と言ったら、私は立ち技から打撃の、実に連携した形で、スタンドレスリングと打撃の繋ぎが凄く柔軟度の高い出入りが出来る佐々木選手の魅力、真骨頂が今回は調整が上手く行かなかったのかな?という部分があると思います。

実は私は個人的に佐々木選手を調整しているときに、佐々木選手の良いところは、ここなんだよという話しをしました。前回の試合前に、どうも上手く行かないという話しを聞いて、あなたの良い所をここだよと、そこの動きをつけて試合に臨んでもらったのですが、どうもそれを忘れてしまったのかな、と思いました。惜しい部分だなと思いました。それに対して美濃輪選手は、その合宿で自分の良さ、強さ、というものを改めて発見した中で、彼の良いところは、信じたらそれを貫くという事です。自分で決断して、それを持続しようとする強い心が彼にはあったというところだと思います。新しい美濃輪選手に対して、捉え切れなかったというところに、このポイントの2差があったのではないかなと思います。もう一年後、同じカードが見たいです。


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