先ずは昨年、2002年を振り返っていただきたいと思いますが、昨年最後の試合が7月の後楽園ホール(NIGHT TIME)でのVS山本孝夫戦(禅道会)でした。その試合で拳を痛めて、以降、残念ながら欠場することになりましたので、昨年は一年間で試合出場が3試合ということでしたが・・・。
渡辺大介:2002年は・・・、まぁ、我慢の年でもあり、あとは今までと違ってじっくり見ることができた年でしたね。欠場して試合数が少なかったぶん、いろいろと練習にしろ、試合会場に行った時の興行全体の様子にしろ、試合が多かった時には見ることができなかった角度からいろいろと見ることができたので、今までとは違う意味で勉強になった年ですね。

そういう2002年を経て迎えた2003年ですが、年頭に今年1年の目標のようなものを何か立てました?
渡辺大介:目標?・・・、とりあえず先ずは一発目に勝たなきゃしょうがないなっていうのがあって、1月(26日)の後楽園ホールで佐藤光芳選手(パンクラスGRABAKA)と試合をするっていうのが決まってましたからこれはチャンスだなって。この試合に勝ってランキングに入って、その後、また外の選手と試合をして確実に勝って実績を残したいなって思ってましたけど、対戦カードが変わってしまったので(※佐藤光芳選手の負傷欠場により、キングダム・エルガイツの入江秀忠選手に対戦相手が変更)。でも、もちろん消化試合にするつもりは全くないので、この試合にキッチリ勝って、佐藤(光芳)選手が復活してきた時には、チャンスがあれば近いうちに是非試合をしたいですね。佐藤選手と。僕の中では佐藤選手と試合をやる気満々でいたので、今回ちょっとスカされた気分っていうか。まぁ、今は入江選手との試合が決まったのでそっちのモードに入ってるんですけどね。でもこの試合が終わったら、佐藤選手と試合がしたいってなると思うので、佐藤選手と試合をしてランキングに入る。そうなれば、その後にも上手くつながっていくと思います。

今、渡辺選手がおっしゃように、今回、佐藤光芳選手から、キングダム・エルガイツの入江秀忠選手に対戦相手がかわりましたが、入江選手の試合はVS稲垣克臣戦(2001年11月・後楽園ホール)をご覧になってます?
渡辺大介:ん〜、じっくりとは観てないですね。ちょっとビデオで観たっていう感じですね。

入江選手の印象ってどうですか?
渡辺大介:印象?・・・、確か組み付いて相手を倒すような感じだった気がしますね。でも僕、試合前にあんまり相手を研究とかはしないんで。ハイ。対戦相手がこういう選手だからこういうふうに闘う練習をしようっていうのは、まぁ、それも多少はありますけど、でもビデオを何回も見て研究してっていうことはあんまりしないですね。とにかく今まで自分がやってきたことを、ちゃんと試合で発揮できるコンディションをつくるっていうふうにずっとやってきてるので、それが試合で出るようにするだけですね。

入江選手との試合で何か心掛けることとかあります?
渡辺大介:とりあえず自分のペースで試合をすることですね。入江選手のペースにハマってしまうと、多分ちょっとやっかいな展開になってしまうんじゃないかなって思います。5分2ラウンドなので先にペースを掴んだ方にチャンスがくると思うんですね。これが3ラウンドだと、先にペースを掴まれてもどうにか気合で後半に盛り返すっていうことができるんですけど。決して入江選手は弱い相手ではないと思いますので。強いと思いますから、心掛けることはもう、ペースを握らせない、自分が先にペースを掴むこと。です。

入江選手と言えば、ヒクソン・グレイシー選手への対戦要求や、“20世紀最後の涙のカリスマ"と言われているように試合後のマイクアピールなどで知られている選手です。また、キングダム・エルガイツではヘビー級のベルトを保持していらっしゃるトップ選手ですが、そういう選手と対戦することに関してはいかがですか?
渡辺大介:そうですね・・・、まぁ、僕にとってはチャンスだと思いますね。パンクラスのファンの人達が入江選手をどこまで知っているかということはちょっと分かんないですけど、稲垣さんに勝っている選手なので強い選手だと思うんですよね。あと試合数も多いということなので、多分、自分の中で試合での勝つパターンていうのがイメージできてると思います。やっぱりそれにハマってしまうとちょっとヤバイかなっていうのがありますから、そういう選手に勝ったら僕の中でもすごく大きいと思いますので、ここは是非勝ちたいですよね。

キングダム・エルガイツのリングでしたが、稲垣選手が以前負けているということで、稲垣選手の「敵討ち」というか、‘ここは自分がとめなきゃ'というような感じはありますか?
渡辺大介:そうですね、多分僕がここで負けたら「近藤さんと試合させてくれ」とか言われそうなので、そうはさせないです。僕がそうはさせないです。ここで阻止します(笑)。

では話を少し変えますが、昨年11月にお話を聞いた際(「core pancrase」Monthly Interview vol.1)、NEW渡辺大介誕生計画がありましたが、それは順調ですか?
渡辺大介:そうですね(笑)、NEW渡辺って言っても多分観てる人にはそんなに分からないと思いますね(笑)。細かいことなんで。あの〜、観てて、試合終わって「何も変わってね〜じゃん」って思う人もいるかもしれないんですけど、多分ちゃんとそれが僕の中でできていれば、結構良い感じっていうか。分かる人にしか分からないかもしれないです。僕が圧倒的な強さで勝ったら、僕の中でいろいろ細かいことが変わってきてるんだなって思ってくれればいいですね。逆に何にもできずに終わっちゃったら、やりたいことが何にもできなかったんだなって思ってくれれば(笑)。

分かりました(笑)。では、最後に渡辺選手の試合を楽しみにしていらっしゃるファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
渡辺大介:今回は久しぶりの試合ということで、僕の中でもすごい楽しみにしているので、楽しい試合ができると思います。皆さんも楽しみにしていて下さい。激しい試合になると思います。

渡辺大介選手database