1/26後楽園ホール大会でSKアブソリュートの和田拓也選手と対戦し、判定の末、ドローという結果になりましたが、まずはそのVS和田戦をすこし振り返っていただきたいと思います。あの大会の試合レポートが掲載された『格闘技通信』(3月8日号 No.320)誌では、大石選手と和田選手の試合が1ページで掲載されていて、大石選手に関して「パンチ機能搭載」という見出しもあり、大石選手と言えばレスリングというイメージにプラスされた部分が結構出てた試合だったかなと思います。そのへんも含めて、実際ご自分ではいかがでしたか?
大石幸史:僕は、僕がやりたいレスリングっていう大事な部分が抜けたってことで、まぁ、ダメだなっていう。まぁ、ダメでしたね。パンチを練習してたっていうのがあったんで、それが出たんですけど、レスリング自体が全く欠けてしまったんで、内容的にはダメでしたね。反省する内容のレベルが低かったからダメだなって感じですね。

あの試合ではどういう展開を考えてたんですか?
大石幸史:ん〜、いや、やっぱり倒したらそこからはレスリング(の技術)で動いて、横に回って極めにいかないことには・・・。ね、ダメですよね。

あの〜、パンチの構えが独特じゃないですか。パッと見た時に、マイク・タイソンってあんな感じだなって思ったんですよね。顎を固めて、体をふって入っていくって。あの構えっていうのは、ご自分で考えたんですか? それともどなたかからのアドバイスがあったんですか?
大石幸史:アドバイスはないですけど、ただ練習してて、まぁ、とりあえずマイク・タイソンですよね。練習してて、何かこっちの方が体をふるのにはコンパクトに体がまとまってて動きやすいんですよね。僕はね。こう(両手を)前に出したら出したでまた練習はするんですけど、左右に動くっていう、小さくまとめて打つっていう形から考えたら、ああいうふうになってしまった訳なんですよね。別に何か考えた訳ではないんですけど、勝手に練習でずっとやってたら、こういう感じがエエなっていうのがああいう形になっただけですね。別にあれでずっとやるつもりもないですけど、今のところはあれがいいなっていう。しっくりくるっていう。

大石選手は何をお手本に打撃の練習をしてるんですか?
大石幸史:手本ですか? 手本はここでみんなにスパーリングをやってもらってるのと、後は構えがマイク・タイソンっぽいから、マイク・タイソンのビデオをひたすら見る(笑)。

もう結構見ました?
大石幸史:見ましたよ、ハイ。

参考になりました?
大石幸史:なりました。なりますよ、そりゃ。できないですけど(笑)。上手いこといかないですけど。

そういうことを意識して練習するようになってから、何ヶ月目の大石選手のパンチがあの1月のパンチだったんですか?
大石幸史:けど、正直構え自体はもう一こ前の試合(2002年10月・後楽園ホール)から変えたんですけどね。10月からやってたんですよ。でも、やっぱりそのパンチの距離とレスリングの距離というのが意外と違ってて、僕は相手との距離が近づいてくるとやっぱ組み付いてしまうんで、あの試合は距離が縮まってしまったらパッと手が出て倒してしまってましたね。そこからタックルにもいけるし、打ちにもいけるっていう、その距離をやっぱり憶えないと。まぁ、まだ憶えてはないですけど、(1月の試合では)そこで我慢して何とかしてパンチを出したいなとは思ったんですよね。そうしたらアレですよ。今度はレスリングがなくなっちゃったみたいな(笑)。

なかなかまだ融合ができてないって状況ですね。
大石幸史:まぁ、まだ思ったようにいかないですよね。それはそうですよ。ハイ。

では1月の試合でそういう反省点もあって、それ以降、現在はどういったことを意識しながら日々練習をしていますか?
大石幸史:ん〜、今はレスリングが中心ですね。まぁ、ボクシング、パンチの練習も続けながら、意識はレスリングの方に向けるように練習してます。

分かりました。では、3月8日(土)ディファ有明大会でのVS港 太郎(K.I.B.A.)戦に関してですが、もうご存知の通り、港選手はキックボクシングの世界で名前を上げた方じゃないですか。今、大石選手がマスターしようとしている打撃で世界を獲った方なんですけど、総合の試合っていうのはそんなに経験が多い方じゃないですよね。パンクラスのリングでは昨年3月のVS伊藤崇文(パンクラスism)戦と、10月のVS北岡 悟(パンクラスism)戦の2試合だけなんですけど、総合での港選手の印象、総合での港選手をどうご覧になってますか?
大石幸史:まぁ、打撃が上手いのはもちろんなんですけど、うちのリングでは勝ってないですけど、寝た時も意外に上手いと僕は思うんですよね。だからもう、何でも結構こなすタイプの選手なんだろうなって。何か足関節は極まらないしっていう感じですね。すごいイヤだと思いますね。

そういう港選手との試合なんですが、この試合で大石選手がやりたいこと、考えていることをお話できる範囲で教えていただけますか?
大石幸史:レスリングですね。まぁ、パンチを出さないっていう訳じゃなくて、レスリングがすごい試合、ですね。とりあえず、そういうことです。

秘策みたいなことは考えてます?
大石幸史:秘策ですか? 秘策は別にないですね。いつもないな〜(笑)、秘策なんて。基本で、基本に忠実に。小さな事からコツコツとっていう感じですかね、やっぱり。

確かに港選手ってパンクラスのリングでは勝ってないんですけど、一本もKOもとられてないんですよね。伊藤選手と北岡選手の攻撃も凌いで。やはり一つの競技で世界を獲った、港選手の場合キックになるんですが、そういう部分での脅威って感じますか?例えば身体能力の高さだとか。
大石幸史:そりゃ、イヤですよ、そんなの(笑)。当たったら痛いし。そりゃ、イヤですよ。脅威なんて言ったら、みんな、誰とやる時だってありますよ、そんなの。

では、もう試合が目前に迫ってきてますが、メンタルな部分での調整具合はいかがですか?
大石幸史:別に調子は良いと思いますね。調子が良いっていうのはホントに良いのかどうかわからないですけど、気持ちは別に沈んではないし、目標を持って練習もできてるし、別にケガも・・・あるかな?わかんないけど(笑)、別にそんなに調子が悪いってことはないと思うんで、いつも通りですね。

分かりました。それでは最後に、大石選手の今度の試合を楽しみにしていらっしゃるファンの皆さんへメッセージをお願いします。
大石幸史:ん〜、何だろうな?難しいな〜。ん〜ないな(笑)。別にないっスね〜。まぁ、ハイブリッドレスリングを観て下さいってことですかね。それが今の僕の目標です。

大石選手のハイブリッドレスリングって、どういうのが理想形なんですか?
大石幸史:意外と昔にやってたハイブリッドレスリングだったりしますね。昔言われてたような感じの。でも、回転体っていう言葉が使われてたんですけど、コロコロ回って動きがある試合っていうのは別に目指さないです。回転体は好きじゃないです。常に僕が上にいる。でも相手は回っている。そんな回転ですね。それは良いとは思いますけど。自分たちが上下するような試合は好ましくないと。勝負として別に。まぁ、レスラーとして、ですね。

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