第2試合 ウェルター級戦/5分2ラウンド
×アライケンジ(1R 1分20秒、ギブアップ/フロントチョーク)関直喜○

関選手は楽しみな選手でしたが、前評判通りの骨の太い良い形の試合をしました。落ち着いていて、日本人らしくて良いなと思いました。それで思い切りも良かったです。アライ選手はデビューから自分の色を前に出し、観客を魅了しながら前に出てきていたんですが、ちょっと雑だった、という気がしました。これはパンクラスのリングだけではなく、どんなプロの世界、社会の中にもある事なんですが、勢い良く出た後の自分の維持、勢い良くでたものが全て自分の能力だと思ってしまうと、自分を見失う、もしくは自分の色を見間違います。勢い良く出られた何%かは自分のものですが、残りの数%、数十%というのはある意味、神様が与えてくれた能力、条件だったりします。それを全部自分の能力だと思ってしまうと過度に自分を演出してしまう事によりスタンスを見失うという怖さのある時期です。プロ野球ではそれを二年目のジンクスと呼んだりしています。そういうものがあったりすると練習からもう一度引き締めようぜ、ということだと思います。はっきり言って飛び膝蹴り等は練習不要の技術です。気付いた時にやっていれば良い事なので、そんな練習よりも自分のベースは何かをもう一度見てやらないと、勢いと派手さの自分のイメージに、足元の全然定まっていない選手に陥りがちです。そういう意味の心の隙を突かれた試合だと反省してもらいたいと思います。逆にアライ選手の良かった思い切りの良さと腹のすわった試合度胸が関選手に見られて、実にアライ選手らしい関選手の闘い振りでした。わけのわからない事を言ってますが(笑)、立派な試合でした。関選手はこの勢いでウェルター級に新風を巻き起こしてもらいたい、そんな試合でした。


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