第5試合 ライトヘビー級/5分2ラウンド
○近藤有己(1R 3分58秒、TKO/セコンドのタオル投入による)小谷野澄雄×

立ち上がりから冷静に間合いを見て上中下段にパンチ、キックを放って行く近藤選手。それに対して、一、二発は覚悟して懐に入りたい小谷野選手。その中で上手く脇を取りコーナーに押し込んでテークダウンを取ろうとする小谷野選手に、ある意味、身を任せつつ、グラウンドでの自分の形に持って行こうとする近藤選手の静かなる闘いでした。実に落ち着き、冷静に自分がどうなった時にはなにをすべきかという事を淡々としながら、試合が進んだという形でした。一つのパンチをきっかけに、徐々に速いパンチを打ち込みながら、グラウンドでのKOを狙って行く近藤選手でした。一つ印象的だったのは、小谷野選手が近藤選手にタックルを仕掛けた時、通常はそれを切っていったりするものを、小谷野選手の頭を上に持ち上げて、顔を起こさせて殴るという近藤選手のスタイルです。その辺もテレビで見直すと面白いかもしれません。先程のホットハンドの法則ではありませんが、自分のスタイルをもち、なんだかんだ言いながらも、そこに持っていくという、そういうところに実力者の片鱗があります。ですからそういうところでは、さすが、近藤という試合だったと思います。ですが、2000年5月・東京ドームでのVSヒベイロ選手戦のような、一発当たった後にたたみかけていく怖さ、ああいうものが姿を消しています。この後大きな試合も控えてますから、静かなのは良いけれども、その中で一瞬の荒々しさがあるからそれは際立つんで、そういう意味では速い展開の厳しい近藤というのも、久々に見たいなと思います。


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