第5試合 ウェルター級/5分3ラウンド
○大石幸史(3R 5分00秒、判定/2-1)クリス・ライトル×

この試合は、やはり開始早々数秒で、立ち上がりの大石選手の膝蹴りから試合が始りました。佐藤選手、渡辺選手の試合もそうだったのですが、意外に一気に間合いを詰める、というのが見られるようになって来て、実は、これは相当勇気の要る事なんです。そこには良い意味で心身共に集中出来ている大石選手がいて、(ライトル選手にも)名前負けしないという事もあります。気持ちの相当強いライトル選手ですから、そういう意味もあって良い先制攻撃だったと思います。ただ、私はライトル選手を見ていて、彼は消防士で、やはり命を懸けた現場にいる人は強い!練習では得られない、日常試合をしているんだ!という、そういうものを感じます。これはやはり、先程の渡辺選手の時も言いましたが、開始早々にガツンと貰って尻餅を付いた後に直ぐ切り返しにいけるという、これは物凄く良い状態を示しています。渡辺選手もそれがあったからこそドローになったわけだし、後半持ち直していけたわけです。ライトル選手もそれがあって、そこから逆に攻め込んでいくという所で、大石選手の若さに任せた波状攻撃を凌いでいる内に展開を逆にしていけるぐらいのベテランの強さというものが見て取れました。ただ、その強さと技術の高さを上回るだけの、後半の大石選手の冷静さと、それから弾ける様な身体能力が光った試合でした。グラウンドに入って一拍待ったらライトル選手の切り返しが来る所を、常に左右に動いて、常に相手を陽動させる動きの中で自分の良いポジションを駆使しながら展開を早めていきました。グラウンドでライトル選手の頭にサイドステップをして、蹴りを入れて行く大石選手の、その身体能力の高さを私は多くのファンの方にこの試合で見てもらいたいです。そんな試合でした。


>>> N E X T