第6試合 ミドル級戦/5分2ラウンド
○國奥麒樹真(2R 5分00秒、判定/3-0)門馬秀貴×

國奥選手は相変わらず相手に付け入る隙を与えないですね。自分のやりたい事を、やりたいようにしていくという、國奥選手らしいという一言に尽きる試合でした。ただ、試合を観て下さった方、これからビデオでご覧になるファンの方には判らないかも知れませんが、國奥選手の体調は少し良くありませんでした。どこがどうだとは言いませんが、そういう意味では完璧な状態ではありませんでした。それがあるからこそ逆に國奥選手は積極的に攻めていった、というところもあると思います。この試合ではこの試合に集中できてますが、それ以外のところは、この試合の先、逆に言うと今後自分の目の前に来る自分に課したテーマの試合を完全に踏まえて日常を過しています。そういうものが國奥選手のファイティングスタイルにいつも反映している様な気がします。弱冠厳しい言い方をすれば、山宮選手と同じ様に國奥選手も、あれだけ自分のペースがあるんだから、そこに強弱が付けられたりメリハリが付けられたら相手はもっと嫌なんだろうなと思います。國奥選手はボクシングベースの良い試合をするように思われますが、一番の弱点は私はパンチだと思います。パンチ、キックの打撃が弱点だと思います。どこがどうだとは言いません。國奥選手を狙っている選手達はそれがヒントです。國奥の首を取る為にはパンチ、キックです。

一方の門馬選手。本当に良い選手です。ただ私は、この試合で一つだけ気になった事があります。試合中にカッコを付けるは止めた方が良いです。その瞬間に國奥選手に攻められています。攻撃されています。これは細かい身体の動作の中に、そういうものがあります。これは練習中にそういう癖があるからです。もっと集中したら、自分の能力がもっと引き出せます。プロはお客様に見せなければいけないけれども、格闘家は演出をするような見せ方をする商売ではありません。試合に集中している中で自然美を見てもらうのが格闘家のイメージであって、闘っている中でパンチを一発一発打っているのをみてもらうのであって、打ってないところの立ち居振舞いを見せる仕事ではありません。それは役者さんのやる事です。そこを勘違いしないようにしないと、いつか痛い目にあいます、というのが私から門馬選手へのアドバイスです。門馬選手にはもっともっと良いところがあるはずで、もっともっと上を狙わなくてはいけない選手だから、その心の隙だけは突かれないようにして下さい。


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