第2試合 ウェルター級戦/5分2ラウンド
▲長岡弘樹(2R 5分00秒、判定/0-1)アライケンジ▲

以前にも話しましたが、長岡選手は(私が)大変好感を持っている選手です。彼の入場してくる時の佇まい、アウェーで入場時に挑んでいくその長岡選手の姿勢、真っ向勝負していくファイトスタイル、そういうところが私には凄く好感の持てる、ロデオスタイルの大好きな選手です。それに対してアライ選手は、デビューしてからハイキック一発、飛び膝蹴等を繰り出す思い切りの良い、しつこく、スピードのある選手です。どちらかと言えば奇をてらった奇襲攻撃、派手な試合が続いてしまった為に、ちょっとここのところ闘い方が雑になっているような気がします。前にも言いましたが、髪型、服装、発言、そういうものにプロらしさを求めていくのは良いのですが、闘い方、ismの基本というものが、ちょっと薄れているような気がします。

自分のベースは何なのかと言ったら、彼はレスリングがきちんとしているので、そのレスリングの圧力があって、初めて奇襲が効きます。もうそれが初めからアリアリになってしまったら、ウィニングショットを初めから切っているようだったら、これから上にいく海千山千の選手達とは、やはり持ちカードの数では負けます。一番いけないのは、そういう闘い方をして勝ったとしても、怪我をしていく事。パンクラスのリングで一番心得ておかなくてはいけない事は、大きな怪我を負わないような闘い方をしなければいけないということです。プロになるのだから、皆選手としては優れています。だけど、その中で大きな怪我をして、それを引き摺りながら練習をしている間に、練習でまた大きな怪我をしたといって出場の回数がめっきり減っていく選手も少なくはないんです。私は治す側だからそれが良くわかります。だからもう一度、大きな事にならない為にはベースのきちんとした焼き直しが必要だと思います。長岡選手も気持ちの上では前に出ていますが、ここのところ彼は綺麗な試合をしようとし過ぎているのかもしれません。やっぱり私は彼の圧力というものが好きだから、そういう風に言ってしまうのかもしれませんが、自分のやりたい事を邪魔する奴は退かす、という彼から滲み出てくるハートの部分、それがこの試合の両者共に欠けていたような気がします。ですから、そういう意味でドローの試合が続くのはいけない事なので、一本勝ちを狙うように心機一転巻き返して貰いたいです。


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