第4試合 ライトヘビー級/5分2ラウンド
×渋谷修身(1R 1分20秒、KO/パンチによる)エバンゲリスタ・サイボーグ○

サイボーグ選手は、ルタリーブリをベースにしてという中で、やはりスタンドの強さ、立った形の中で自分のベースを生かしてきた気性も激しそうな選手でした。渋谷選手は冷静に立ち上がりを見て、フロントチョークという良い出足でした。浅かった事は浅かったのですが、相手も充分苦しんでペースも乱せましたし、その後ダメージで、相手もちょっとスタミナを奪われた立ち上がりでした。が、それが解けて、ちょっと立ち技の攻防があった後の両者バランスを崩した後の離れ際に、ちょっと振り回し気味のフックが顎先を捉えたというところで、渋谷選手からすれば(相手の)ラッキーパンチ、サイボーグ選手からすれば、離れ際を大切にしたということだと思います。要するに臨戦態勢を解かなかったというところの、本当に紙一重の試合だったと思います。このパンチを空振りしていれば、またちょっと違った展開になっていたのではないかなと思いますが、いずれにしてもサイボーグ選手は今後また恐ろしい選手になっていく位置付けになるんじゃないかなと思います。

先程も言いましたが、セオリーではないところの、こういうもので倒されるという事で、渋谷選手はちょっと動きが固い、考え方がまだ固い、というところがあるかもしれません。勝つ為にどうするのか?今出来る事でどうやるのか?という部分では、サイボーグ選手はルールが今一つ把握出来なかったか忘れてしまったのかも知れませんが、フロンチョークをかけられた時、トップロープ越しにリングの外に投げ捨てようとする、自分の良い状態に持っていこうとする等、パンクラスでは反則ですが、実はそういう部分での意識というのは私は格闘家としては当然だし、大切な事だと思います。ズルをする、いわゆるサミングだとか、ローブロウ等を狙ってするのは最悪の選手です。けれども、勝つ為に一瞬閃いて、ここから脱出する為にはどうするのかという事を、セオリーでは無くスパッと出来るというのは格闘家としては物凄く大切な要素です。渋谷選手は逆にそこを学んで欲しいです。そしてそこに敗れたと言っていいと思います。資質からいったら渋谷選手は絶対に伸びています。これは彼の身体を見れば解ります。背中の形が全然違います。これは彼の練習の成果です。ここのところ元気の無い試合が続きましたが、それでも腐らずやっているという男の背中です。渋谷ファン、パンクラスファンの方々は渋谷の背中を見て彼を信じてやって欲しいです。そんな試合でした。


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