第5試合 ミドル級戦/5分3R
○三崎和雄(3R 2分34秒、ギブアップ/チョークスリーパー)久松勇二×

3月・後楽園ホール大会の公約通りに2Rから3Rに格上げした試合の中、現在混戦しているミドル級の三崎選手と久松選手という事で、久松選手としては、何としてもパンクラス初勝利をもぎ取りたい、しかも上り調子のライバル・三崎選手との再戦でした。そういう意味では大変燃えるものもあっただろうし、心に期するものもあったと思います。逆に三崎選手としてはこの後、郷野、菊田と続くGRABAKAの先鋒という事もあって、良い立ち上がりもしたいし、自分の中には知らず知らずの内にミドル級のトップを狙う自分がいるのにも関わらず、自分が後ろから追われる立場になって来たというところでの一つのハードルです。そういう新たなるハードルの飛び方としては、充分余りある相手であるから、そういう意味で注目する試合でした。

適確に、ある程度当ててくる三崎選手のパンチに対して、久松選手はどうしても後手に回ってヒットのし難い立ち上がりでした。ここで奏したのは、やはり三崎選手のローキックだと思います。久松選手の左足を上手く殺していきました。ビデオでご覧いただく方は気付くかもしれませんが、久松選手がスタンドで構えている形が、左足へのローが効いている為にどんどん変っていきます。そういうところで実はあたる筈のパンチが当たらなくなったり、当てられないパンチが当たったりというのは実はそういうところにあるわけです。基本的にコツコツ下を潰していきなさいとか、コツコツ小さなものを積み上げていって組み立てていきなさいというのは、実はこういうところにもあります。ただ、それだけに、それをセオリーとして考えてしまってはいけません。相手がどういう形でいるから、そいうものを使う。そうじゃない形であれば、もっと思い切りの良い技を使う。そういう意味のクレバーさというものが、今、パンクラスのリングの中では、もっと必要なものになってきました。そういう中で最後に思い切り仕掛けていったのが三崎選手で、前に前に出て行くようになって来ました。その圧迫に徐々に後手に回ってきた久松選手。それが、最後のグラウンドの展開の中で、グラウンドのパンチでコントロールされて最後にチョークという、セオリーといえばセオリーなのですが、そこまで持っていくのにさすがの三崎選手も3ラウンドを要した、というところで、私は次の久松選手は期待出来ると思います。次は勝ってもらいたいと思います。さあ、三崎選手、次は上を目指して頑張っていきましょう!

ただ、この試合、ギブアップをして小菅レフリーが試合を止めたにも関わらず、三崎選手がチョークの形を崩さなかった事に対しては審判団を代表してというか、私個人、審判部長個人の見解で言えば、これは最低な試合でした。私の権限でルール上、試合の剥奪も可能です。二度とそういう事が無いように。それはファンの皆さんも、そういう試合があった場合は、例え自分の応援している選手であってもブーイングの一つもやってくれる事。それを約束してもらいたです。パンクラスのリングはそういう場所にして欲しいです。そういう時はブーイングをして下さい。そういう選手を甘やかしてはいけません。命にかかわる問題です!
三崎選手は次から注意するように!


>>> N E X T