|
■第6試合 ライトヘビー級戦/5分2ラウンド ○郷野聡寛(2R 5分00秒、判定/2-0)フラービオ・モウラ× モウラ選手、前評判ではブラジルの町中では喧嘩屋で有名だとの事でした。前から来た男は絶対フラービオには道を空けるというような噂があるとか無いとか、そういう選手であるとの事です。それに対して気持ちじゃ負けていない日本の郷野。ここまで来ると、パンクラスGRABAKA、パンクラスismというよりはパンクラスの郷野、日本の郷野という形で応援して下さる方は、そう捉えていただいていいのではないかなという感じで、この試合を眺めました。さすが郷野選手という試合でした。(モウラ選手の攻撃に対して)真っ向から前に出ていき、ついつい合わせたくなるところですが、そこを正面から受け止めながらも細かい形で透かしていき、要所要所でダメージを与えていくという、何かパンクラス参戦当時の郷野選手を見ているような気がしました。見た目のイメージよりも巧妙でクレバーで思い切りに良いという、そんな試合を久しぶりに見たという感じです。ここのところの試合は前に前に出る圧力のある、というイメージが強かったんですが、そういう意味では郷野選手らしい試合だったなという感じでした。 それを引き出させたのは、逆に言うと喧嘩屋フラービオのプレッシャーの強さというものがあったのかもしれませんね。後半2Rの中盤以降、上手くスタミナを奪ってダメージを与え、そしてそれを蓄積させていった郷野選手が、後半は自分のペースで闘いきったという形でした。試合終の郷野選手曰く、「いわゆるディフェンスで拍手をもらってもな」という話しをしましたが、あれは攻撃していくという気持ちがあって、そして体を裁いているので、ああいう動きが出来るんです。あれをディフェンスと捉えて、逃げたとしたら、喧嘩屋はもっと前に出てたと思います。ここのところ大きな怪我なんかをして、らしさが消えかかっていた郷野選手ですが、そういう意味では良い試合だったと思います。 私はパンクラスGRABAKAの郷野選手を見ていて、ismの選手こそ彼を見習う部分というのがあると思います。これは発言がどうのこうのという事ではなくて、彼はあれだけ大口を叩いたり色んな事をしますが、その影には、ああゆう怪我をしたり何かしても、どういう環境であっても、練習に対して妥協しません。自分がどんな練習をしたら、どうなるんだという事を、しっかり信じてやっている事。己を信じて、自分を取り巻く環境を信じて前に進んでいるからこそ、彼は大きな痛手を負ったりしても彼はこうやって良い試合をします。ismの選手は、そのハートの部分がもしかしたら一番足りないのかもしれません。そんな気持ちを持って、パンクラスismの選手はライトヘビー級の最後のメインイベントを見ろと、そう言いたかったです。 >>> N E X T |