第6試合 ウェルター級戦/5分3ラウンド
△芹澤健市(3R 5分00秒、判定/1-1)和田拓也△

経験値と技術力の高さの芹澤選手、そして多大なるセンスと思い切りの良さの和田選手。これも期待した、期待通りの良い試合でした。ウェルター級の3位、7位という微妙な位置付けの2人のマッチメークだったので、力も拮抗しているだろうと思ったのですが、開始早々、芹澤選手の足元がふらついていました。ちょっと元気ないなと思ったのですが、その答えは和田選手が一回目のテークダウンを取った時に見て取れました。どうも芹澤選手は試合前に左膝に大きなケガをしていたようです。そういう中で良く粘ったなという事ではあるんですが、トレーナーとして私はもったいないなと思います。レフリーではなくトレーナーとして思うのは、今回の膝の大きなケガは、こういう形で無理をすると、テークダウンを取られた時、ちょっと無理をしたり、踏ん張ったりすると、痛みが出たりとか、力が出ないという状況になったりして、後々のケアーに大変時間がかかるものです。そうすると、もっている実力とか経験値というのが充分引き出せる、引き出しでは無くなってしまいます。そういう意味では自分を大切にしてもらいたいなと思いますから、無理をしないで欲しかったというのが半分。それでも今上り調子の和田選手を相手にこういう闘いが出来るのは、さすがだなと思わせたのが半分です。ちょっと複雑だとは思いますが、私として元気の良い、切れ味の良い芹澤選手が見たいですから、早くケガを治して、そしてまたリングに上がってきてもらいたいと思います。和田選手はもう、そういう意味では終始自分のペースでどんどん攻め込んでいったところ、そしてバランスが良いです。奇をてらったバックスピン等もあるんですが、基本的にはオーソドックスな闘い方がちゃんと出来るから、それが役に立つんです。そういう意味では和田選手としたら芹澤選手の状況が状況なだけに、ここは無理しても1本勝ちして、ランキングの順位を上げておきたかったなというのも否めないと思います。ただお互いに終始攻防が入れ替わるような中で、健闘した良い試合だったと思います。もう一度、芹澤選手のケガが治って、和田選手が経験を積んで、その後にもう一度見たい、そんなカードです。


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