まず始めに、前回(エレクトロショック戦)も前々回(柴田寛戦)も足関節で一本勝ちでした。今回もやはり足関節狙いですか?
佐藤光留:何度も言うようですけど、僕ね、ほんとに足関節しか知らないんですよ。僕P's LABでアマチュアの人の指導もしているんで「光留さん。腕十字の取り方教えてください」とか言われるんですけど、ほんとに知らないんですよ、自慢じゃないですけど。

足関節にいくと多少リスキーな面もあると思いますが、その辺はいかがですか?
佐藤光留:それはどんな技も一緒だと思いますよ。レスリングでも柔術の技術でもある程度はリスクがありますから。腕十字を獲りにいくのでも一回押さえ込みを解かなきゃいけないですからね。なので、足関節だからリスクの高い闘いだとは感じないですけどね。

光留選手というと入場のパフォーマンスもかなり浸透してきていると思うんですが。
佐藤光留:あのーよく言われるんですけど、普通にやってるだけなんですよね。ありのままの自分ですよ。だからよく須藤元気さんとか引き合いに出されるんですけど、あれはもうそのままの姿だと思うんですよ。あれはお客さんに求められてやってる訳ではないと思うんで。スタン・ハンセンがブルロープ振り回してやってくるのも、ベイダーが煙を出すのも、鈴木さんがタオル被るのも、お客さんにやってくれって言われて、無理してやってる訳ではないと思うんで。だから僕のマントもそうで、今回の入場曲も、ちょっと手を加えてあるので。

それは光留選手本人が手を加えたんですか。
佐藤光留:はい。昨日の夜、道場のMDでちょっと浪速ナイズにしました。

そういう点では昔からサービス精神が旺盛だったりしたんですか。
佐藤光留:普段はわりと小心者で内弁慶で、あんまり俺が俺がという感じではないです。でも陸上でも相撲でもアマレスでも土俵やマットにあがると縦横無尽でしたね。

それでは団体戦でいうと先鋒から大将までありますけど光留選手はどのタイプだったんですか?
佐藤光留:先鋒でしたね。そんな強くなかったですけど。相撲も先鋒は大事なんですよ。勢いをつけるために。

今年に入り今回が4戦目ということで、かなりのハイペースですが体調のほうはいかがですか。
佐藤光留:悪いです。あのーP'sLABの指導があるんですけど、そこでどうしても力が入るんですよ。今日は試合前だから休もうかとか、試合でどこか壊れたから休もうかと思っても絶対出ちゃうんですよ。別に批判するわけじゃないですけど、選手の中には明日試合だからってことで、休ませてくださいってことが多いんですよ。勿論それも判るんですけど僕は出ずにはいられないんですよ。だからそこで初心者の人とか教えるとついつい僕が盛り上がるんですよ。まあやってる人も盛り上がってくれるんですけど。昨日も女の人がパンチを打ってたんで、「会社でいやなこととかあるでしょ」「うんうん」「気に食わない上司とかいるでしょ」「はい。います」っていうんで、「そいつの顔だと思ってぶん殴れ!」「おら殴れ!殴れ!」って大声でやってたら、今朝なんて起きれませんでしたよ。

それではP'sLABの中でもかなり慕われていると?
佐藤光留:ん〜それはどうでしょうね。でもうち独自の雰囲気を作るために、特別なことはしてないですけど大きい声で挨拶して、大きい声で数を数えてみんなで楽しくやろうとは思ってます。フィットネスジムみたいに一人で黙々とやるのではなく、かといってバチバチの格闘技みたいにきっちりとやるのではなくて、さわやかに笑顔を絶やさず、格闘技で体を鍛えようといった感じですね。でも僕の根底にあるのは怒りであったり、恨みやねたみだったりするんですけどね。

今回サミーさんのCMにも出演されましたし、ご自身の中でブレイクの兆しみたいなものは感じられますか?
佐藤光留:ないです。まったくないです。たくさん仕事をやってるからその中で少し表に出る面もあるだけで、本質的には何も変わってないと思います。やってることも特別すごいことをやってる訳ではないですし、でもCM出れたことはものすごい嬉しかったです。しかもサミーさんですよ。あれからパチンコ打ちたくてしようがないです。

撮影はうまくいきました?
佐藤光留:まあーミュージカル出身の僕の凄みを見せれたんじゃないですかね。でもさっきそのCM作っている人に聞いたら、あんまり僕は使われてないみたいです。

光留選手のイメージも固まりつつありますけど、キャッチフレーズも固まってきているのでは?
佐藤光留:チャンコ番長ですか?チャンコ番長引退したんですよ。でも昨日オムライス作ったら、評判がよくて鈴木さんに「永久チャンコ番長」の称号をいただきました。けどリング上ではあまり関係ないですね。

ご自身で気に入ってるキャッチフレーズはありますか?
佐藤光留:「闘う清掃奉仕」うそです。キャッチフレーズは大事だと思うんですけど、それを決めちゃったら、その通りに動かなきゃいけないじゃないですか。例えば近藤さんの「不動心」とか、菊田さんの「寝技狂」とか、三崎さんの「ヒットマン」っていうのはみんな心の本質にあることを具現化しただけなんですよ。で、僕の今やってるっていうのはその時の気分なんですよ。それで今「足関番長」なんてついたら、後々、腕十字とか得意になっても足獲りにいかなきゃいけないじゃないですか。腕十字が得意になる兆しはまったくないですけど。景気回復が先か、腕十字が先かって言うぐらい見通しがないです。

ではキャッチフレーズは後からついてくると。
佐藤光留:好きに言ってくれということですね。

話しは変わりますが、光留選手はプロレスがお好きということですが、パンクラスミッションについてはどのようにお考えですか?
佐藤光留:ん〜よく言われるのが、佐藤はいつ行くんだって言われますね。まあ僕は今ミッションに行っても結局はバーリ・トゥードしかしないんじゃないかなと思うんですよ。でも正直僕はプロレスなんかしねえよって言ってるくちではないんですよ。問題はプロレスというジャンルはほんとに強いやつを決める大会だと思ってたんですよ。それが最近、プロレスは強いやつを決める大会じゃない方向に傾いてきたんですよ。ルチャリブレもWWEも日本のプロレスもランカシャースタイルも全部強いやつを決める中で何とかドライバーとか何とかスープレックスがあってと思ってたんですけど、最近見てるとなんか、ん〜と思っちゃうんですよ。でも僕の中で当然プロレスをやってみたいというのはあるんですけど。
それで思い出したんですけど、鈴木さんが昔ぼくに言ってくれたのが、パンクラスっていうのは佐藤みたいなチビでも本当に強いやつが活躍できる場所だって言われてて、あーそうだと思って。で、この前エレクトロ・ショックとやって彼は大きいじゃないですか。でもほんとに強いプロレスラーは小さくても強いという考えがあるんで、僕は今ミドル級にいますけど、夢としては大きいプロレスラーとやりたいですね。

それはプロレスとして?
佐藤光留:いや、バーリ・トゥードでやりたいです。でも今僕がミッションに行っても、バーリ・トゥードで勝てないやつがプロレス畑に小遣い稼ぎに来たんだぐらいにしか思われないじゃないですか。考えすぎだよとかも言われるんですけど、自分でそう思っている限りは行きたくないです。早くミッションに入れって言われてるから意地になってる部分もあると思うんですけど。

それでは今回の試合のことをお聞きしますが、今回の相手(長谷川選手)の印象は?
佐藤光留:デモリッションの控え室が一緒だったのと、窪田選手から一本獲ったのが僕の中で衝撃でしたね。僕が入門してから窪田選手が一本獲られたところなんてみたことなかったですからね。

窪田選手からアドバイスなどは?
佐藤光留:ないです。僕はビデオも一切見ないですから。仮に僕が今回長谷川選手のビデオを見て穴を見つけて勝ったからって、何か違うと思うんですね。じゃあ町でばったり会った奴には勝てないのかっていう話しですからね。決して喧嘩をやりたい訳ではないんですけど。でもちょっとビデオは見たいかなっていうのはあるんですけどね。

それではファンの方にここを観てほしいというところは?
佐藤光留:僕の知り合いでパチンコ雑誌のライターをやってるエロ漫画パンチさんという人がいるんですけど、その人に幻のセル固めをやってくれと言われたもんでいろいろ形も考えたんで、今回極めたらそれをセル固めと命名します。でも当日は稲垣さんを観に来てください。稲垣さんの大会なんで。

稲垣さんとの一番印象に残っていることはなんですか?
佐藤光留:僕が練習生だったとき、夜中の3時に電気をつけていきなりシーマンを始めたことですね。「シーマン元気?」って言ってるんですよ一人で。で、二日ほど実家に帰るからってシーマンの飼育を任されたこともありましたよ。シーマンに話しかけといてって言われて、誰もいない道場でず―っと話しかけるんですよ。

稲垣さんの一番印象に残っている試合ってなんですか?
佐藤光留:VSシーマンですね。

・・・・それでは試合楽しみにしてます。
佐藤光留:あーあと夏も近づいているので、P's LABのほうも、最初は人当たりがいい僕が教えるんで、僕は毎日絶対いますからとりあえず見学に来てください。よろしくお願いします。

佐藤光留選手database