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■ 第3試合『ネオブラッド・トーナメント2003〜ウェルター級〜』一回戦第1試合/5分2ラウンド ×アライ・ケンジ(1R 3分03秒、ギブアップ/腕ひしぎ十字固め)飯田崇人○ 近頃のアライ選手に懸念されるのが、デビュー当時の勢いと、思い切りの良い攻撃がどうも空回りしているなというのが、ここ数試合、私のアライ選手評です。それに対して飯田選手というのは、着実です。きっちり自分のスタイルを身に付けて、それで闘っていこうとする意思が凄く表に出ている選手だと私は思いました。パンチもキックも寝技も練習でやった事を正確にやろうとするタイプで、私は好感の持てる選手だなと思います。その飯田選手が、やはり立ち上がりの、アライ選手のその場からの上段からの飛び蹴り、ある意味バランスを崩したとも言えるのだけど、やはりこれは奇をてらって、良い言い方をすれば、思い切りの良い攻撃です。ただ、今のパンクラスのリングは唐突にそんなものを出しても決まる可能性は少ないと思った方が良いと思います。やはり思い切りの良い技、捨て身技というものは、お互い拮抗してリズムが潰し合ってしまった時、お互いが疲れて、自分自身のバランスが両者ともお互いに崩れ出している時には思い切りの良い捨て身技、その様な奇をてらった技というのが十分威力を発揮します。お互い見合って元気が良くて、お互いのリズムがきっちりと守られている中では、それは無謀というか、単に確率の問題で、エイ、ヤーと、やっただけの話しです。私はそれは奇をてらった技とは言わないと思います。そういう意味でアライ選手は、ちょっと勝負を焦ったかな?という感じです。逆に、そのアライ選手が自分からグラウンドに崩れたところから、飯田選手は確実に相手をコントロールしながら最終的には裏から腕を取って、十字固めという形でフィニッシュに繋げたところはさすがだと思いました。途中でアライ選手は上手くパスしかかりましたが、それを上手く粘り強く追っかけていって、裏から極めました。飯田選手の良さが出た良い試合でした。 >>> N E X T |