第6試合『ネオブラッド・トーナメント2003〜ミドル級〜』一回戦第2試合/5分2ラウンド
×金井一朗(2R 5分00秒、判定/3-0) 中西裕一○

パンクラスismの金井選手、ここのところ元気がありません。ちょっと迷いがあるというか、どちらかというと練習の時の方が元気があります。これはいけません。試合になったら切り替えていかなければいけません。練習を良い意味で引っ張るのは良いけれども、良い意味で試合の時には、試合のリングというものに自分を合わせていかないといけないと思います。それに対して修斗出身の中西選手。練習の時から彼をずっと見てましたが、彼も緊張していたと思いますが、私は彼の練習を大変好感を持って見ていました。思い切りの良さ、スピードが十分にある中で一発一発を力強く決めていくという、そういうスタイルに私は凄く好感を持てました。今回、このネオブラッドで一番最後まで練習をしていたのは、私は中西選手だという事を知っています。それぐらい、今回彼は満を持して来ているという事です。特にミドル級というのはパンクラスのランキングのクラスの中でも、大変ハードルの高いクラスだという位置付けが、段々とされています。優れた選手がいるなかに彼等が跳び込んでいくわけですから、それぐらいの意気込みがあって良いと思います。練習をやり過ぎて試合で力が出せなかったといったら私は拍手を贈りたいです。そうやって私が選手を見送った一番初めの選手は、パンクラス旗揚げ戦のデビュー戦の時に、馬鹿みたいにダッシュして、馬鹿みたいに練習してヘロヘロになってデビュー戦のリングに上がった、この間引退した稲垣 克臣です。彼はそうやって強くなっていきました。その精神を純粋培養されて注入されているのが先に出た前田選手です。そういう意味で私は、前田、中西、両選手はある意味オーバーラップした選手として大変好感を持ちました。それが全てでした。自分が何をするべくここに着たかという事で、執拗にそれを繰り返しやっていく中西選手に対して、何をして良いか解らなくて、何に頼る事も出来ない、まるで十徳ナイフを持って、何も使えないという事を認識しているような、そんな金井選手が見えました。金井選手はリングを降りて、普段の練習になっていきますが、一つこの夏は、悔し涙を糧に、ちゃんと自分の得意な形、自分は何をベースにして闘っていくのか、どうやったら自分は力を出せるのかという事をやりこむ必要があります。その為、この夏、ちょっとゲロを吐いて頑張ってみて下さい。そんな感じの試合でした。


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