第5試合『ネオブラッド・トーナメント2003〜フェザー級〜』決勝/5分2ラウンド
×志田幹(2R 5分00秒、判定/3-0)前田吉朗○

この試合、ある意味感慨深いというか、大変嬉しく思えたのはP's LAB東京vs P'sLAB大阪という、日本の東西の対決になってきたというところに面白さというか、楽しさがありました。2人とも基本に忠実な、たいへんオーソドックスな選手ですから、そういう意味では、独特なリズムで闘う選手が多い昨今、こういう典型的な闘い方をしてくれる人が、私は凄く楽しみで嬉しいです。試合は1Rは前田選手がもっと前に出るのかなと思っていたのですが、デビュー5連勝の勢いを、ここでどうやって志田選手が止めるのかなと思ったのですが、ベテラン志田選手、よりきっちりとした凄くオーソドックスな闘い方で、思い切りの良い前田選手の取っ掛かりというものを、一手一手前で潰してきたので、前田選手がいつもの自分のリズムで闘えなかったというところに、私は志田選手の強さを見ました。逆に基本に忠実な人間の強さというものをここで見ました。やはりただ単に勢いの良さだけでは入れない、そんな懐の深さを志田選手に見た1Rでした。さ〜そこで2R目。そんな志田選手に、ちょっとした隙が出たところを一発の思い切りの良い前田選手のストレートが顔面をとらえました。そこからは、やはりダメージのあった志田選手に、ちょっとでも亀裂が入れば、ダムの決壊の様に一気に思い切りの良さで入っていった前田選手の、やはり、ある意味デビュー当時の近藤 有己を彷彿させる様な、ちょっとでも自分に風が吹いたら、一気にそれに乗っていこうとする、その思い切りの良さが後は勝負を分けてしまいました。後はグラウンドに持ち込む、3R目のスタンドからのスタートにしても、やはり段々段々自分のペース、そして段々自分の間合いに入っていった時にちょっとずつ膝、蹴りというものを出していきながら、自分の形に入っていく。知らず知らずのうちに波状攻撃の防戦に回らなければいけない志田選手の試合中のもどかしさの表情、というものを見て取りながらの2Rでしたから、この判定というものは、致し方ありません。ただ今後、この対戦カードが組まれるとした時に志田選手がプロのテクニック、厳しさというのを他の試合で十分自分のものにして注入する形になって、前田選手が自分のスタイルを、どこかで変革して来た時に、もう一回見てみてみたら、また違った思いができるのではないかなと、またそれぞれP's LABの教育方針がそこに反映してきたとしたら、P's LABに通う後輩達というのが、またリングに上がる日もそう遠くはないだろうと、そんな予感をさせてくれる決勝でした。


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