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■ 第2試合 ライト級戦/5分2R ×武重賢司(1R 2分19秒、KO/バックブロー)矢野卓見○ 壮絶な試合でした。武重選手は前回、春の大阪大会で、次に出てくる渡辺選手の膝蹴りで失神KOされてからの復帰戦でした。試合前にちょっと体調を尋ねましたが、「全然問題無いです」という事でした。ですが、やはり脳というのは、1回大きなダメージを負うと、失神し易くなったり、打たれ弱くなったりという事が必ずあります。それを繰り返していくと、ボクシングの世界で見られるパンチドランカーの様な状態になります。それは、大きなダメージを脳に負わせなかったとしても、脳細胞というのは勝手に死んでいきますから、そういう速度が増していく間に、ドランカー症状で良く見られる言葉の呂律が回らなくなったり、頭の回転が急に鈍くなったり、健忘症の様になったりというような症状が見られたりします。そういう事を考えると、練習では良いのだけれども、試合で相手が本気になって強い衝撃を与えると、KOされ易くなってしまうというところもあります。そういう所で、武重選手は次の試合に出るにしても、間を十分空けたり、キャッチレスリングという形で頭のダメージを守りながら練習をして、試合に参加していくという形を取った方が良いです。良い素材だけにもったいないと思います。それに対して、矢野選手、さすがに変則的な試合の組み立てです。ですが、相手に対しては変則なのですが、技に対しては物凄く矢野君は厳格な男です。ここでは言いませんが、基本的に技術に対して凄く、何と言いますか、忠実です。相手と組んだら何をすべきか、という事を、一つの信念としてやっています。それに上手く武重選手はコントロールされてしまった、という事です。そして、あの形から100点満点のバックブローが入りました。タイミングもばっちりでした。それは武重選手のちょうど耳の裏、一番失神し易い場所です。そこに良い角度で入っていきました。武重選手の死角から、手刀が上手く切れて入って来ました。そういう意味では、矢野選手としては、してやったりという試合だったと思います。さすが、矢野 卓見、でした。 >>> N E X T |