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■ 第4試合 キャッチレスリング/5分2R ▲大石幸史(2R 5分00秒、判定/0-0)花井岳文▲ 花井選手は、先にKO勝ちした矢野選手の元で修業も積んでいるという事で、組み技をどうやって見せてくれるのか? 面構えも良いし、なかなか好感の持てる選手でした。一方、國奥選手の持っているベルトの挑戦者に一番近く、そして今や一番勢いもあり、安定もしていて、何と言っても、基本的に負けていない大石選手。つきの良いところで攻めて攻めて、今の前田選手ではありませんが、負け知らずというのは、彼の実力を物語っていると思います。そういう大石選手と花井選手のキャッチレスリングはどんな試合になるでしょう?という感じでした。試合の方はテークダウンを取る、試合を展開させるという事で、大石選手がどんどん試合を動かしていきました。そして攻めあぐんできたところで、いわゆる返し技で隙をついて、花井選手が色々な技をかけていくという、攻防がはっきりした試合でした。1Rは花井選手が大石選手の左肘を取っていくという所で、良い角度で入ってましたので、私はこれにポイントをつけました。なかなか良い攻めを見せました。ただし、これはあくまでも今言った様に返し技です。自分から倒してコントロールして取りにいくのとは違い、自分を相手に責めさせて、そこから返していきます。その後、逆に攻めていってくれたなら、私の判定は変ったかも知れないと思います。そこを上手く脱した大石選手は、2R目も攻め続けて、逆に細かい技術も含めて終始コントロールしたというところで、ドローという形です。1本取りかけたものと、総合的に1本に近い形で試合を展開したところでの引き分けだったと思います。今回は打撃は無いにしても、自分から攻めていく花井選手が見たかったです。花井選手は良い選手だと思います。力も強いし、私は彼の試合を初めて見ましたが、センスの良さを感じました。それから、先程言った、矢野選手に付いて卓越した技術をきっちりと習得しています。自分の信念に基づいて技をきちんと展開させているというところで、多分、大石選手は何で自分はこういうところが攻められたんだろう?と思ったのではないでしょうか。いわゆるレスリング、ボクシング等は、やはり欧米人が作ってきた技術ですから、明確な部分があります。こうなったら、こう、こうやったら、こう、と。武術というのは、人間に対しての技、という世界があるので、何だか解らないけどかかってしまう、何だか解らない内に身動き取れなくされてしまう、というのが、実は技術の世界です。ですから私は、まさに剛と柔の闘いだった様な気がします。 正攻法で攻めまくっている大石選手に対して、いわゆる技術で封じ込めようとしている花井選手がいた、という形です。2人をたして2で割ったら素晴らしい選手が出来上がると思います。そんな試合でした。大石選手、花井選手、どちらかが相手の闘った手応えをシビアに感じ取って、そういう世界もあるのかと、それを認識して自分の壁を破れたら、その選手はこのクラスでは上にいけると思います。 >>> N E X T |