第5試合 ライトヘビー級戦/5分2R
▲山宮恵一郎(2R 5分00秒、判定/0-0)キース・ジャーディン▲

私はこの山宮選手の試合、実はある意味、この日一番の注目カードだと思っていました。“KEI山宮”から“山宮 恵一郎”、そして入場曲も元に戻して、要するにリセットして、初心に戻って、もう一度試合に臨むんだという気持ちだったと思います。彼の戦歴を見ると、相変わらず3分の2は勝っている男なんです。そういうイメージをもっと前へ出さなくてはいけません。もっともっと猛々しく、堂々と闘って欲しいです。対戦相手は初参戦のジャーディン選手。初めて練習場で見た彼の印象は、ライトヘビーとしては、デカ過ぎるんじゃないかという感じでした。そうしたら案の定、結構体重がオーバーしており、試合直前まで減量に苦しんでのパンクラスデビュー戦ということで、ジャーディン選手としたはきつかったと思います。「いやいや落とせる、落とせる」なんて言ってましたが、本当にぎりぎりになっていました。そういう中で、どんな試合を見せてくれるのか。そして判定のポイントとして、先の大石VS花井戦の場合は19-19というポイントが付いていますが、これは“行ってこい!”のラウンドがあったというこ事です。それに対して山宮選手の試合は、レフリー三者、20-20なんです。20-20という事は何もおきなかった、と判断されても仕方の無い事です。「勝たなかったんだな」という引き分けの結果もありますが、「負けなかった」という引き分けの結果も私はあると思います。どちらかと言ったら、「負けなかったんだな」という印象の試合でした。

ジャーディン選手としては、体調からすれば負けなくてラッキーだったな、何とか凌いだよ、良かった、良かったという試合になってしまったと思います。要するに取りこぼしというヤツです。という事は、山宮選手は何も新しくなかった、という事です。気持ちの問題だけなんです。10年前、パンクラス旗揚げ時に私が船木君、鈴木君に言った言葉というのは、若者はなお新しい事にチャレンジするんだ、自分は心を入れ替えて頑張るんだ、というのは若者の特権でそれはそれで良いんです。但し、「具体性の無いものは、ただの戯言で、大人は信用しないぜ」というところから、「まず体を変えよう、ルールを変えよう」という、変革を具体的にしていくというのが、実はパンクラスの根幹にある部分なんです。私は山宮選手に、具現化しなければいけない時期だ、という事を言いたいです。はっきりいって勝ち損じています。試合の流れからいったら、山宮選手の流れです。テークダウン取って、出会い頭の小さなパンチを見切って、自分のパンチを当てているんですから。しかし、そこの展開は、今迄と何も変っていません。山宮選手はいい加減に、そろそろ自分のパターンを崩さないと、自分の練習のパターンを崩さない事には、試合のパターンは崩れないという事です。同じ練習をして、試合の時に気持ちを入れ替えて攻めていこうとするから、何の裏付けも無い事で、具体的なものは何もできません!!。さぁ山宮選手が練習をどう変えるか? 次の試合が楽しみです。

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