第4試合 ウェルター級戦/5分3R
○北岡悟(3R 5分00秒、判定/3-0)関直喜

実は私がこの日楽しみにしていたマッチメークの1つがこの試合でした。激戦ウェルター級で5位に甘んじている北岡選手ですが、ここのところ、さして大きな試合のイメージが沸きにくく、判定も多いですから、試合ではあまり目立たない結果なのかも知れませんが、一本負けもした事がありません。これは相当素晴らしい事です。試合で精神的に粘り強いという事が、今年に入ってから北岡選手と色々な所ですれ違ったり、うちに治療できたりと、見ていて会う度に体の形が違ったり、表情が違ったり、発言が変ったりという中で、日々変化しています。日常をいつも変化させています。そういう意味で、私はこの試合が注目の一戦でした。対する関選手も大変良い選手で、『ネオブラッド・トーナメント』でもウェルター級で優勝しました。フリーという立場の中で、人となりの良く見える闘いをしてくれて、技術力も高いです。そんな2人がどう闘うのか?そんな体重差もありません。

実は北岡選手は試合1週間程前まで体重がオーバーしていました。それでかなりの減量を強いられる事になりましたが、これは食べ過ぎで大きくなったわけではありません。実は以前から体の質を変えようと、合宿をしたり何かしながらなどして、体のスケールを大きくしていて、体全体が大きくなっていました。それを試合前のリミットに合わせるという形で、体重を制限しての試合でした。心配した部分はスタミナ面はどうなのか?という事でした。その辺も十分考えての体重制限という形で試合に臨んだようです。逆に関選手は『ネオブラッド』の時と比べると、試合中の体の捌きにしても何にしても、さすがにこの男は『ネオブラッド』優勝にあぐらをかかないで、それを1つの自信として、ワンランク上を目指しているんだなというのがわかる試合でした。そういう事から、私はこの試合、大変有意義だったと思います。正にウェルター級はこれから大変なクラスになるのではないでしょうか。その中で、この闘いは北岡選手が最小で2ポイント、最大は4ポイント離した試合でした。これはやはり私も見ていまして、北岡選手がプロの壁を突き付けました。野球の世界では、俗にプロの洗礼を浴びせた、なんて言いまわしをしますが、それ程に、『ネオブラッド・トーナメント』で通用したものが北岡選手に力でねじ返されるという現実を関選手は感じたのではと思います。その上で関選手は心が折れない選手だったのですが、さすがに3R目は心が折れてしまったほど、北岡選手が寄せ付けませんでした。そんな闘い振りでした。

さあ北岡選手、ここで勝ちました。この意義はたいへん高いと思います。ただここで多くの言葉を用いないで、今年、ずっとここまで10ヶ月来たのと同じ様に、寡黙にもう半年この努力を続けていった時に、ウェルター級の大きなチャンスが北岡選手にやってくると思います。来春を目指して頑張ってもらいたいと思います。私の評価はかなりのうなぎ登りです。

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