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■ 第1試合 フェザー級戦/5分3R ○前田吉朗(1R 1分29秒、KO/グラウンドパンチによる)バレット・ヨシダ× 世界に名だたるバレット・ヨシダ、この実績を引っさげての初参戦です。その対戦相手がデビュー6連勝中の稲垣組・前田 吉朗。というところでの、凄く興味深い試合でした。しかし実績とかから考えると、ヨシダ選手にやや分があるかなという前評判だったらしいのですが、そういう事も無く、前田選手は本当に自分の仕事をしました。今迄はロングのパンチ・キック、遠い間合いからの膝蹴りを出したりとか、飛び膝を出したりとか、そういうものが前田選手の凄く思い切りの良さ、ややもすると持ち味で、6連勝もするとそこにいろんなオマケが付いてきて、そういう闘いをしなければいけない、という様な勘違いが良く起きます。これは何ヶ月か前の私のコメントを見れば、そういう事で苦言された若手の選手がいると思います。それで、前田選手のリング上での練習を見た時に、オッと思いました。これは何をそう思ったかというと、稲垣組長がミットを持ちながら、前田選手にものすごい近い間合いの細かいパンチを適確に打たせていました。しっかり立たせながら、無駄な動きのないまま、力感の無い速いパンチを繰り広げていました。それを見た時に、アッと思いました。さすが稲垣、と思いました。やはりグラップリングの強い選手は、一発強いパンチを1つ我慢して、強く踏み込んでテークダウンを取ってこようとします。これは後半のロン・ウォーターマンの試合でも見られましたし、この様な展開は今回のメイン、菊田VS近藤戦でも、その攻防になるというような布石が見られました。その部分をきっちり稲垣組長が修正していました。それにきちんと応えた前田選手が、きちんとした闘い方をしました。 それに対して、組まれたくないから、思い切りの良い強いものを打ってくるだろうという予測に反して、一見組みにいく様な間合いに入ってから小さな速いパンチが飛んで来たので、立ち上がりから細かいパンチをもらってしまったヨシダ選手でした。ですから、なかなか入るに入れなくなってしまいました。そんなところから強いコンビネーションが入って、グラウンドのテークダウンを取られるような形から、前田選手のパンチ攻撃という形で試合は終りました。そういう意味では、前田選手の快勝です。本当に良い闘い方をしたと思います。ヨシダ選手は自分の良さを見せる事無くやられてしまいました。要するに、相手に型を抜かせる前に前田選手が決着を付けたという事では見事な闘い振りでしたし、良い試合でした。でもその影には、良い指導者の稲垣組長というのがいて、この試合は成り立ったんだなと思います。一緒に練習をしながら、あれがダメ、これがダメというのは良い指導者ではない、という話をいつも私は言っていますし、稲垣組長のセコンドワークは素晴らしいと私はいつも言っていますが、これはやはり、いつも一緒に練習をしているからです!いつも一緒に練習をしている稲垣君がコーナーに立つから、何をやらせるかという事が縦割りで意思の疎通がはっきりしているという事です。それがこの大金星に繋がったと思います。これでデビュー7連勝です。さ〜、稲垣組長が付いているが故に、組長のアシストがどのくらい前田選手の連勝を前へ進めていくか? ファンの皆さんはそういうところを見てあげて下さい。良い試合でした。 >>> N E X T |