第4試合 ヘビー級戦/5分2R
×ハー・スン・ジン(1R 2分34秒、ギブアップ/肩固め)内藤征弥○

先のデビュー戦で、体重差をもろともせず、左フック1発で秒殺劇を演じたハー・スン・ジン選手。それに対して体重差はそんなに無いとはいえ、やはり内藤選手はファーストコンタクトは相当恐かったのではないかと思います。そういった中でテークダウンを取って、そこから自分の形をちゃんと作ってから技を仕掛けていくという、決して華麗では無いけれども、技術力というものを遺憾無く発揮しての1R2分34秒の1本勝ちですから、私は立派なデビュー戦だったと思います。ハー・スン・ジン選手的には、がっぷり四つに組ながらの試合であったら、未だ判らなかったと思います。但し野球で言うところの、ホームランを打ってしまった為に、打撃を崩していくという様な、自分のバッティングが出来なくなってしまうという現象と、私は近かったなと思います。前回の試合でパンチの出し方等を見ても、本来はそれでKOを狙うタイプの選手ではないと思います。パンチもオープンで振って入って来ますから、膝蹴りとかを多用しながらの、スタンドのレスリングで優位に立って自分でテークダウンを取りにいくという、オーソドックスな闘いをするタイプの選手の様な気がします。それが軽く偵察で出したパンチがポーンと当たって、興奮している中で、一気に仕掛けて秒殺劇を演じてしまった為に、どうもデビュー戦よりは力みを感じて、そして大振りを感じて、組んでも力が抜けませんでした。逆にそれが内藤選手の技術のツボにはまっていってしまったというところでの、残念な1Rでの1本負けという事だったと思います。

今はパンクラスに留学という形で勉強をしているのですが、やはり人間というのは、そうやって愛情をかけて仲間意識が出てくると、こいつらの為にも負けられないというプライドが出てきます。それと出来るならば、やはり、あの様な感じの華々しい勝ち方がしたいなという様な、もう名指しで言いますが、昨年(2002年)のアライ選手の様なといったら良いと思いますが、そういう魔力があります。それに因って地に足の着かない闘い方にならないように、ここはハー・スン・ジン選手、もう1度ネジを巻き返していくと言いますか、もう1度本来の自分の闘い方とは何だろうというところで、再出発をしてもらいたいし、内藤選手は冷静な良い闘いが出来ましたから、そういう意味では2戦、3戦と積み上げていって欲しいと思います。デビュー以来何連勝というのは、一番初めの試合に勝った人しか出来ないので(笑)、ですから、そういう意味では名前を上げる良いチャンスが来ました。さー、来年が楽しみです。

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