第1試合 ウェルター級戦 5分2ラウンド
○北岡悟(2R 4分05秒、ギブアップ/フロントチョーク)平山貴一×

平山選手はこれまで『DEMOLITION』を主戦場にしてきて、今回、パンクラスにも臨んできました。身長が177cmで、この階級では上背のある手足の長い選手でしたので、その身体を武器に、2001年5月の『ネオブラッド・トーナメント』予選以来の参戦という事で、成長ぶりはどうかなというところでした。一方、北岡選手は今年に入り、MEGATONの保坂忠広選手との無差別級戦、3月にはミドル級での石川英司選手とのマッチメークを志願したりと、色々な形で自分を試してきました。

身長差は10cmありますが、試合では終始北岡選手が自分のペースでどんどん入っていきました。スタンドの打撃に関しては、北岡選手はまだまだ無駄な動きがあり、逆の意味で1発があるという怖さはありますが、そういう事も少しづつ少しづつ克服しながら、きちっとした自分なりの試合を、今年上半期に自分に負荷をかけた分が、同じ階級になった時に、きっちり生きてきました。彼とは顔を合わす機会が多いので、それはその試合だけでは無く、それを俯瞰しているのですが、やはり食事にしても練習内容にしても研究しているし、自分をちゃんとコントロール出来ているなというのが、強くなりたい、パンクラスを代表した選手になる、ismを代表した選手になるんだという、彼の1つの目標、それが深く杭を打った様に、1本くっきりしたものが出来上がってきましたから、それに対して淡々と日々を送りながら、熱い気持ちで練習をしているという、その差が試合の結果になったと思います。北岡選手を見ていると、ミスター・ストイックというのは彼の事かなと思います。それが結局は、「北岡選手は上手いんだけどな」というイメージを、「強いな」というところまで変えてきたということで、このコーナーを見て頂いている皆さんには、私が昨年から「北岡は化けるよ」という話をして、「少しづつ注目してもらいたい」という事は良く言ってきたと思いますが、いよいよ風が吹いて来たなと思います。ですからこの夏以降、彼がビッグタイトルへ着実に歩を進めていく為の1つのプロローグとして、この試合は位置付けられるのではないかなと思います。対する平山選手は、そういう意味では、今迄外から見てきた北岡選手と、手を交えた時の北岡選手では、少しイメージが変ったと思います。決して平山選手は悪く無かったと思いますが、パンクラスのリングというのは独特のリズムがありますから、それに馴れる事も含めて、次の試合を目指してもらいたいなと思います。この試合は北岡選手に尽きます。

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