第6試合 ライトヘビー級戦 5分2ラウンド
○山宮恵一郎(2R 5分00秒、判定/3-0)瓜田幸造×

山宮選手は気が付いてみたら、GRABAKAに移籍して結構日にちも経ってきて、何かGRABAKAっぽさというものも、イメージとして定着してきました。それに対して掣圏会館から瓜田幸造選手の参戦です。2000年の青森大会でロシアの選手が参戦してくれましたが、それ以来になると思います。逆に言うと師範代ですから、どういう闘いを見せてくれるのか。よもやベルトを巻いた事のある山宮選手が、見た事も無い様な技で倒されてしまうのかという、そういう注目も集めた試合でした。

試合は終始瓜田選手のスタンドのパンチを掻い潜り、山宮選手がタックルからテイクダウン、そしていつもはそこからハーフガードの様な形で終始しますが、山宮選手がサイドポジションを取る形の試合展開が続きました。会場からは「山宮、変わってないぞ!」みたいな野次もありましたが、私はそう見えませんでした。いつもは折角マウントを取ったり、上を取ったり出来るんですけど、そこからどうしようという感じで、ただただ殴り続けるという試合が多かったのですが、今回の山宮選手の闘いを見ていたらテーマがありありと解っていて、私はこの試合のタイトルを付けるとしたら、“山宮只今進化中”という事になると思います。まずテイクダウンを取って、サイドにポジションを取って、あわよくばガードから足を抜いてマウントにいき、それが出来なければサイドから腕を狙いにいく。腕を狙いにいき相手が嫌がってきたら、ポジションを変えていって首に移行する。この手順がありありと解っていて、それを進行する武器として、顔面に鉄槌を振り下ろしていくという、1つのプロセスみたいなものが見えつつあったというところに、山宮選手としたら収穫があったなと思います。対する瓜田選手は、パンチの振りが大きかった部分で完全に間合いを見られて、テイクダウンを取られましたので、あの形からでは瓜田選手の実力を発揮するのはちょっと難しかったかも知れません。山宮選手、そこは流石ベルトを巻いた男だけありますから、あの形からでは中々瓜田選手らしい動きというのは、封じられてしまったかなと思います。そういう意味では、瓜田選手は自分の色を出せなかったデビュー戦ですが、今後スタンドのイメージをもう少し変えていけると、自分らしさが出せる様な気がするので、その辺を練習して、また参戦してもらいたいなと思います。

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