第1試合 スーパーヘビー級戦 5分2ラウンド
-IRO関(ノーコンテスト)折橋謙-

パンクラスMEGATONからIRO関選手のパンクラス・デビュー戦でしたが、もう1人デビュー戦の人がいます。担当の松宮レフェリーが、B級審判員に合格して初の公式戦デビューでした。今迄はGATEで試験を受け、GATEでのレフェリング等を得て、いよいよ新しい公式審判員の道を歩んでもらうことになりました。

試合は、IRO関選手が前に前に出ながら右ストレートを打っていき、意外に見え難い左のプッシングの様な、要するに突っ張りの様な形の左のリードで距離を取って、右のストレートを思い切り打ち込んでいきました。約135kg、見た目よりも体重のある重いパンチがたまに折橋選手を襲い、そのため中々懐に入れず、逆に序盤は大振りが目立ち、ペースを掴めなかった折橋選手でしたが、突破口は折橋選手の右のローキックでした。それが大変良い間合いで入りました。丁度、IRO関選手が距離を詰めて打ちたい、手を使いたいというその距離に上手く、ちょっと角度を変えて回り込みながら、折橋選手の右ローがカウンターで入りました。序盤こそIRO関選手はラッシュを見せましたが、息の上がり始めた1分過ぎぐらいから、折橋選手の右ローキックがどんどん冴えてきました。逆にIRO関選手は、その右ローをカットしなかったので、中盤から効いてしまい、そのローキックを嫌って、手で受けようとしたり、足を引いたりという形で、完全にIRO関選手は距離感が狂ってしまいました。逆に右のローを規準に、折橋選手の細かいパンチがIRO関選手を捕らえていく展開が3分以降終始しました。その中で良いコンビネーションが入って、IRO関選手の足も効きてきて、構えが中途半端になってきたところで、折橋選手のローブローが入ってイエローカードが出ました。その間、多少足を引き摺っていたIRO関選手は、ドクターチェック中に息を吹き返して来たという部分はありましたが、序盤の足のダメージが大き過ぎました。足を気にして上が使えない、距離感が狂っているのでパンチも当てられず、左足を止められているので踏み込みも出来ない状態で、足が揃ったまま体が出て来るとセンターが空きますので、最終的には良いパンチを顔面に貰って、そのままダウンしてしまいました。それが4分18秒でした。KOのコールが出たのですが、その後折橋選手がマウントの形からたたみかけて、レフェリーの制止を聞かず、パンチを繰り返したために、レフェリーから反則の判定が出たという形です。イエローカード、プラスレッドカード、若しくはイエローカード2つという事ですので、完全なレッドカードの扱いになります。

その後の乱入ですが、これはプロ野球でも良くあります。デッドボールで両軍が入り乱れて、その光景は良い事ではありませんが、ではベンチに残っている事が良いのかというと、そうでもないという、審判部長の私が言うのは大変言い難い言葉ですが、出てくる事は構わないと思いますが、ただあるセコンド陣の1人が、逆にレフェリーに止められている折橋選手に向かって暴力を振るおうとしました。あくまでもセコンドはセコンドの立場、応援は応援の立場だという事です。ただそれだけ折橋選手のした反則行為というのは、IRO関選手サイドからすれば、屈辱的な反則だと言う事です。ですから「すいません」ではすまないという事、そして大変危険な行為であるという事です。それを十分踏まえていかないといけないと思います。いくら試合が恐かった事、昂ぶっている事、夢中になってしまった事、色々な言葉で良い訳は付きますが、相手を尊敬しているかどうか、逆に自分が尊敬されているかどうか、このパンクラスのリングを尊敬しているかどうかという事です。逆に言えば、見ていただいている観客の皆さん、ファンの皆さんを尊敬しているかどうかというところが、折橋選手の態度に繋がるという事ですから、重々責任を感じなければいけないと思います。選手はそれを守る義務と責任があります。

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