第5試合 ライトヘビー級戦 5分2ラウンド
○郷野聡寛(1R 2分15秒、KO/パンチによる)栗原強×

郷野選手は色々取り沙汰されて大変だと思いますが、リングに上がった郷野選手、またはテレビ等を見て、骨格のラインが変わっている事に気付かれた方がいれば、その方はかなりの通だと思います。これは何かと言うと、過度なウェートトレーニングを今回休んだ事に因る体のラインです。それが今回のKO勝利に繋がっているような気がします。

一方、team ROKENの栗原選手。私はすごく期待している選手なので、激戦区ではありますが、今回髪の色も一新しての参戦です。試合は1R2分15秒、右ストレートに因る郷野選手のKO勝利という結果でした。今回の郷野選手は、例によってきちんとした間合いを取って、冒険をしない、そして良く郷野選手をカウンターの上手い選手と言いますが、これは違います。今回も何発か重い右のパンチが入って、ダメージがあって、栗原選手が半歩すっと入って来た所を、強い踏み込みで右のストレートを打っているので、カウンターと言えば、カウンターですが、受け身ではありません。剣道でいう出小手みたいなものです。カウンターというのは判り易く言うと、感覚的に単発で終らせようとするのがカウンターです。郷野選手はあの形の中で、1発当たって相手が倒れなければ、左の返しなり何なりが出来る体勢で打っています。そういう意味では自主的に打っている形で、自分の間合いに入れて打っているので、それを私はカウンターとはあまり言いたくなく、見事な右ストレートでした。

試合は序盤、栗原選手のローキックで幕が開けた様な形になります。距離を上手く取り、郷野選手が少しスロースターターという形で、相手にプレッシャーをかけ始めたのは1分過ぎぐらいの感覚でした。その中で左右のパンチを上手く散りばせながらダメージを与え、そして最終的に今お話しした様に、相手が苦し紛れにちょっと前に出ようとした所を狙い済ました右のストレートでした。郷野選手はそこが上手いです。普通であれば1発良いのが当たると、そのまま慌ててラッシュをすぐかけたいものです。それを休ませる訳でもなく、組んで休ませない、打たせて相手を動かしながら、休ませないで同じレベルのダメージを与えるという所では、大変良い攻撃だったと思います。栗原選手としたら、こういう攻め方をされてしまうと、今回に限っては為す術がなかったなと思います。本当であれば組んで休みたかったと思います。それを許さなかった郷野選手のテクニック勝ちです。いつもだと体がパンパンに張ってしまっていて、胸が腫れて体の切れがここ数試合落ちていました。それが今回過剰なウェートトレーニングを休んだという事で、体の切れが凄く出ていました。そういうところが今回の劇的なKO勝利に繋がったと思います。物凄いパンチでした。

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