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■ 第6試合 パンクラス vs チーム・グレイシー【3 vs 3 先鋒戦】 ミドル級戦 5分3ラウンド ×三浦広光(3R 4分56秒、ギブアップ/パンチによる)ジョー・ダース○ 先陣はこの試合がデビュー戦の、パンクラスMEGATON-TOKINの三浦選手でした。三浦選手は柔道が下地で、大変身体能力も高く、強靭な体を持っているというイメージがありました。そんな中で変幻自在に動こうとするダース選手の動きを完全に封じました。1ラウンド、2ラウンドともにフルマークになっていると思います。3ラウンドもかなりのダメージを与え、残り4秒までほぼ圧倒した試合でした。ですからこの試合の感想と言ったら、「あ〜何で? 惜しいなぁ」、「何で?」という感じだったと思います。野球では良く9回2アウトからと言いますが、それ以前の問題のような感じがしました。三浦選手は相手を立たせないだけの十分な波状攻撃をして、特にパンチがしっかりしてました。このパンチが何故良かったかというと、三浦選手は無理に打ちにいきませんでした。奥襟を取りにいく様な間合い、要するに自分の形を崩さないで打てる範囲の中で打ちにいき、打てない時には打たないという、はっきりした自分の形でダース選手をどんどん苦しめました。その中でどんどん組んで攻めていくという、何と言っても思い切りが良かったです。この思い切りの良さはデビュー当時の近藤選手の様な、会場の誰一人として納得させる、そういう説得力のあるプレッシャーをかけました。私はまた1人、凄く楽しみな選手が出て来たなと感じています。 ただ、もったいなかったのは残り10秒辺りの、ダース選手が苦し紛れに出した右ハイキック、これが上手く当たりました。しかもテンプルでは無く、首の付け根に当たったという形で、そのまま蹴りのフォロウスルーでロープ際まで飛ばされて、もう少し倒れ方がおかしければダウンを取られてもおかしくない形で、十分効いてはいました。岡本レフリーも目が十分いってしまっているという判断で、その後の猛攻を何とかかわそうとしてる三浦選手を十分確認した上で、実は三浦選手のイージーミスというか、もったいないミスがありました。これは私も目で確認しましたが手を振ってしまっています。パンチを受け、頭を振りウィーピング、ダッキングをしている最中に、相手の攻撃を受けてる最中に手を左右に振ってしまいました。ビデオを見てもらえばわかると思いますが、手を小さく振っています。これが実は、私は手を振っている意図が解りませんでした。岡本レフリーは手を振っている事をタップとみなしました。要するにその前のダメージと、加えて手を振ったという事をタップと判断して、ギブアップという事でレフェリーストップとしました。 試合後、実際どうだったのか三浦選手とちょっと話しをしてみたら、「効いてない、効いてない」という様なイメージを持ってちょっと手を振ってみたという事で、「余計な事しない様にね」(笑)という話しをしました。デビュー戦で大変インパクトのある勝利をものに出来ず、おしかったなと思いますが、観客の皆さんは三浦選手がほぼ勝利を手中にしたのをわかっているので、改めてウィナーコールを次の試合でしてもらって下さい。大変惜しい試合でした。 本当に逆転勝利という事で、ダース選手は雄叫びを上げてましたが、三浦選手のイージーミスを誘い込んだのは、最後の最後まで勝負を捨てないで、ダース選手がハイキックを見舞った所から始まっています。三浦選手が取りこぼしたと言えばそうですが、最後の最後まで逆転勝利を目指し、苦しい所からでも諦めずにハイキックを出したダース選手が、勝ちを引きずり込んだという所では、私は勝負というものの機微、最後の最後まで諦めないで持って来る、そこの部分では、良い所でダース選手に学ばせて貰いました。 >>> N E X T |