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■ セミファイナル パンクラス vs チーム・グレイシー【3 vs 3 中堅戦】 ウェルター級戦 5分3ラウンド ○北岡悟(2R 0分34秒、ギブアップ/フロントチョーク)カート・ペリグリーノ× 私は担当レフェリーでしたので、試合前に期待等の思案は一切しませんでしたが、見所としては、北岡選手がどんな風に頑張るのかという事と、ペリグリーノ選手の総合の実力は如何に、という所でした。柔術で彼の実力は十分知れ渡っているので、その選手に対して北岡選手が胸を借りる形で、逆に言うと北岡選手はヘビーな闘いを2年前からしていますから、自分に何かを課して闘っているという事の、北岡選手の最近の真骨頂を見せて貰いたいという所で期待も大きく、実はこれは注目の1戦ではないかなと思ったのですが、やはりやってくれました。私はレフェリーをしていてあまり思わないのですが、久しぶりと言うか、今迄リングに上がった選手の中で、こんな上手い選手見た事ありません。ペリグリーノ選手の実力は素晴らしかったです。手に取るところ、相手に触れる所、展開、技の仕掛け、何を持ってもお手本です。本当に、そこをその様に持ったら、人の体は自由になるよという所をきっちりと持って来ます。自分の体もきちんと使って、決して力ではない、体をコントロールして、1ラウンドは北岡選手を翻弄しました。やりたい事をずっとしましたが、ペリグリーノ選手のここは誤算で、意外だったのは、多分、北岡選手が物凄く粘った、諦めなかった事です。これはダース選手と全く同じです。本当に諦めませんでしたが、北岡選手は“凌いだ”と言って良いと思います。心が弱ければ1本に持っていかれる展開だなという所を、早め早めに対処して、最小限のダメージの中で北岡選手は何とかやりくりして持ち堪えたという所で、勝機が2ラウンドに訪れました。がぶった形からのフロントチョークから、スッポリとペリグリーノ選手の頭が北岡選手のみぞおちに入りました。そして北岡選手の拳がペリグリーノ選手の喉仏にしっかり入り、タップ以外に無いという状況まで落とし込めた所、そこまで頑張って来たからこそ、こういう勝利があります。 柔術 対 パンクラスという図式のこの先鋒戦と中堅戦は、ダース選手、北岡選手、共に諦めない熱い心のあった闘い方をした選手が、ひょっこりと勝利しました。そして最後の大将戦、佐々木vsファービオ戦に繋がっていきます。 >>> N E X T |