第3試合 ミドル級戦 5分2ラウンド
ランキング7位
中西裕一
(フリー)

三浦広光
(パンクラスMEGATON‐TOKIN)
2R 5分00秒、判定/2-0
判定:梅木良則(19-20)大藪吉郁(19-20)廣戸聡一(20-20)
■中西裕一(81.9kg)
■三浦広光(80.9kg) セコンド:野地竜太
レフェリー:和田良覚

三浦選手はデビュー2戦目にして初勝利です。その相手が中西選手ですから、ただならぬ新人がまた躍り出た気がします。デビュー戦にしても、魔の10秒が無ければ、私は三浦選手のデビュー2連勝だったと思うので、そういう意味では楽しみな選手だなというところです。三浦選手も柔道出身で、ここに来て、アマレス出身選手の流れから、柔道出身の選手へ、何と無くブームが変わって来た様な印象です。いずれにしても、アマレスにしても、柔道にしても、1つの競技をきちんと修めている選手は、それを核に、総合格闘技という形で、アドリブを効かす事が出来てるという事です。要するに、柔道で襟を取りにいく代わりに、拳で顔を殴ったり、足払いをする代わりに、ローキックを入れたり、巴投げの代わりに前蹴りをしたりと、私は総合格闘技はそういう事だと思います。そういう意味では、ちゃんと色んな事を長い間、一生懸命身に付けた人が表に出て来るだけでも、持論では相当嬉しい事です。競技に基本無し。自身の、個人の体の中に基本がある。人間の身体の中に基本があるんだという事を常々私は言ってますが、そういう事が、こういう風になってくると見えてくるので、良い試合だったと思います。

試合は両者1ラウンドの2分過ぎくらいまで、大変見所がありました。正しく四つ、がぶり四つという形です。本当にああいう構えの中で、中西選手も何か1発を狙い、三浦選手も思い切り攻撃を仕掛けていくという形でした。中西選手は、実は私は大変好感を持って見ている選手で、好きな選手ですが、この日の三浦選手を見てると、『ネオブラッド』で旋風を巻き起こした中西選手とダブって見えてしまいます。若武者2人が、良い形で絡み、試合をしている部分では、期待通りの試合をしてくれたと思います。判定では中西選手が負けましたが、私は中西選手が劣っていたとは思いませんし、出来ればもう少し2人が上手く絡めたら、どちらか一本というところまでいけたと思います。どちらか一本取るという形の中で、もう1度、中西、三浦という、この1戦を見てみたいなと思います。特に序盤の三浦選手の内股、引き込み系の技に関しては、大変動きも切れて速くて、光るものも見えましたし、中西選手も、三浦選手が投げにいきたい、組みにいきたいという瞬間、上手く空かし、押え、逆に仕掛けていきました。緩急の使える中西選手というのは、本当に強いです。私はそう思います。次は一本で勝ってもらって、中西選手の質の高さを出してもらいたいと思います。三浦選手はこの勢いで、自信を持って、この勢いでいってもらいたいです。もう1度見たい一戦です。

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