第3試合 ライトヘビー級戦 5分3ラウンド
ランキング2位
郷野聡寛
(パンクラスGRABAKA)

ティム・マッケンジー
(シーザー・グレイシー・アカデミー)
2R 2分58秒、TKO(レフェリーストップ)/スタンドのパンチによる
■郷野聡寛(86.3kg) セコンド:佐々木有生
■ティム・マッケンジー(89.9kg)
レフェリー:岡本浩稔

対戦相手が怪我の為、マッケンジー選手へ変更となり、試合前のコメントでは、「トーンダウンしてしまった」みたいな話しをしてましたが、この辺はサービストークだと思います。郷野選手はクレバーな選手ですから、そうは言っても、1Rの闘い方を見れば、逆に情報の無い選手だから、きちっと様子を見ながら、距離を取り、試合を組みたてて行きましたので、その辺は流石、郷野選手だと思いました。それに対して、マッケンジー選手は代役という位置で出場しましたが、予想よりも良い選手だったと思います。スタンドで立った時のプレッシャーのイメージも悪く無いし、打撃の守りにしても、きちんとした技術を持った選手だと思います。その中で1Rはスタンドに終始しました。マッケンジー選手も、比較的速い手数の郷野選手を、中になかなか入れさせませんでした。郷野選手は様子を見ながらではあっても、チャンスがあれば前に出て来ますから、マッケンジー選手はそういう意味では、きちんとプレッシャーをかけて、自分の展開をしていたと思います。その中で、入り際、離れ際に隙を見付けて、入って行く角度と、タイミングを確認した1Rという気がしました。2Rに入ると、郷野選手は左右のコンビネーションが凄く安定し、右の強いモノが1発当たった時点で、マッケンジー選手も前に出られなくなってしまいました。そうなってしまえば、郷野選手は左右に自分のリズムを刻みながら、上手く懐に入って行きますし、鋭角なワンツーで切り込みます。ですからこのラウンドは、郷野選手らしさのみが映ってしまったという形でした。

勝負を分けたのは、右ストレートでした。郷野選手の上手いのは、力が抜けていて、まずきちんと当てるという事です。自分の捕らえるべき範疇で、適確に捕らえるというのが彼の真骨頂です。ハードパンチャーというよりは、いわゆるミートして行くタイプです。自分の形に入る事、若しくは当たる手応えを感知した時に、強く入って来る、強打のコンビネーションがきちんと出来ているところに、彼の強さというものがあるような気がして、そういう意味では、凄く面白かったし、次を凄く期待させてくれます。一見ビッグマウスの様ですが、それはサービストークで、言って自分を追い込み、そして闘うという彼らしさが、この試合で見ることが出来て大変楽しかったです。マッケンジー選手に関しては、同じように前に出てくる外国人選手同士の試合が見たいです。プレッシャーが強いですから、らしさが出るのではと思いますし、打ち合って、組み合っての彼らしさを、もう一度見たいと思います。次の試合も期待したいです。

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