第2試合 無差別級戦 5分2ラウンド

太子郎
(パンクラスMEGATON)

折橋謙
(チームPOD)
2R 4分02秒、TKO(レフェリーストップ)/ネガティブファイトによる
■太子郎(141.7kg) セコンド:矢野卓見、太田光一
■折橋謙(108.1kg)
レフェリー:小菅賢次

折橋選手の試合では何かが起きるのでは?と言われる様になるような(笑)、今回もそんな感じのネガティブファイトに因る勝利でした。結果的にその様な判定が出ましたが、ある意味太子郎選手の、心身共に戦力を奪っていったという事であるならば、折橋選手が立派に打ち勝ったんだなと判断します。

序盤は、太子郎選手の猛烈な右フックが折橋選手を捕らえて、開始早々に局面を迎えましたが、秒殺の恐怖をしっかり凌ぎ、徐々に自分のペースに持っていき、折橋選手は粘り強い試合をしたなと思います。彼の前回のパンクラス・デビュー戦も同様でした。今回も体重差が30kg以上で、その中で良く耐えたなと思います。特に1ラウンドではテークダウンを取られ、上から後ろに付かれるという絶対絶命の場面もありましたが、無難に対処し、その後の1番の活路は、メガトンの選手達が繰り出すのが困難なローキック、太子郎選手のハードパンチに優る蹴りを軸に取りながら攻撃をしつつ、自分のペースを作っていったのが折橋選手の勝因だったと思います。右ローは速くて良く回るし、太子郎選手がローをきちんと受けられなかったものですから、全部的中してしまいました。太子郎選手の足には、相当ダメージがあったと思います。更に折橋選手は良く動きましたから、ネガティブファイトに因る負けというよりは、ポジティブに試合をした折橋選手の勝利という風に判断して良いかもしれません。太子郎選手を休ませなかったというのがまずは勝因で、ただ休ませないのではなく、1発1発をきちんと強く打っていきました。これは意外と重要です。ややもすると、フェイント、フェイクと、実際倒すパンチとの差があまり無い選手がいます。手足をただ動かしている様な、出し惜しみをする選手がいますが、折橋選手は全部を効かせる様に蹴り、全部自分が素早く動き、打ちに行っている点では、とても100kg以上の選手とは思えませんでしたから、そういう意味では思い切りの良い試合をしてくれました。この試合の彼の印象は、試合後に花道を通り、バックステージに入る間際で雄叫びを上げた、彼の顔とガッツポーズが忘れられません。それだけ今回の試合はプレッシャーが強かったのだと思います。前回の試合は色々いわくつきでしたが、今回は立派な勝利ですから、2試合分喜んでもらいたいなと思います。良く闘いました。次はどんな相手になるかはわかりませんが、自分らしさが出るのであれば、より一層ポジティブな試合をしてもらいたいなと思います。

太子郎選手は途中で息が上がってしまいました。スタミナうんぬん言う事はた易いのですが、そういう事では無いと思います。疲れたらそれなりに、せっかくテークダウンを取ったのですから、上に乗った時点で休みながら攻撃をするという、その辺のこなれ方、試合の流し方だと思います。総合の経験が少なく、動いたら即決したいとなると、自分も動き続けなくてはなりません。そして一回息が上がり、対処出来なくなると、自分のしたい事は全く出来なくなります。但し、ネガティブファイトに因る負けというのは、戦意喪失と見られます。試合は5分2ラウンドですから、それは練習のラウンドとは違う訳ですから、試合のラウンドをきちんと出来る状況というのを、体力がどうのこうのだけではなく、対処の仕方を含め調整してこないと、それがまず問題だと思います。そして気になったのは、相手から目線が外れ、両膝に手を付く姿勢を見せたり、レフェリーからネガティブの注意を受けてる時に背を向け、しゃがみこみましたが、注意は太子郎選手の休み時間を取ったのではありません。あくまで反則を犯し、注意を受けてるので、それを聞かないのであればその場でカードを出すという厳しい措置を取ります。レフェリー、選手にも当然失礼ですが、 何よりもプロの試合を観戦しに足を運んでいただいているお客様に失礼です。そういう点では、太子郎選手は残念な結果だったと思います。

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