セミファイナル ウェルター級戦 5分3ラウンド
ランキング1位
長谷川秀彦
(SKアブソリュート)
ランキング4位
門馬秀貴
(和術慧舟會 A-3)
3R 5分00秒、判定/3-0
判定:廣戸聡一(30-28)松宮智生(30-28)和田良覚(30-29)
■長谷川秀彦(74.9kg) セコンド:松本天心
■門馬秀貴(74.9kg) セコンド:外山慎平、守山竜介代表
レフェリー:岡本浩稔

この試合、長谷川選手の1本を取りにいく姿勢、ちゃんと勝つんだという姿勢と強さ、この前のvs大石(幸史)戦もそうでしたが、躊躇せずに技を仕掛けていきました。そういう中で長谷川選手のスタイルで変わってきたことと言えば、長谷川選手のバックボーンがサンボにあり、自分の形に入り、外掛け打ち掛け等の有利な形でテークダウンを取っていくのですが、自分のパターンを確認出来ている事で、バックボーンを信頼し、試合の中で使える様になって来た事です。ですから、スタンドの打撃というものに融合され過ぎて、自分の形を失っていた2002年、2003年と比べたら、大変魅力的な闘い方をするようになったなと、ここ数試合思っていました。そういう意味では良い闘い方をしたと思います。凄く強い選手という印象がここ数試合で出来たし、物凄く強い選手だなと思います。やはり格闘家なので、強い選手というのは凄く魅力的です。それに対して、門馬選手はセンスのかたまりと言いますか、大変器用な選手ですし、先に出た中西選手同様、色んな所から色んな事を仕掛けることが出来ます。そして十分にフェーク、罠を張り、その罠に落とし込むだけの技術を持っています。試合巧者と言うに相応しく、その中で所々見せる瞬発力やターゲットを捕獲する為の強さがあります。この前の伊藤選手との試合では初めから仕掛けていき、一気に首を取りに行くという、ああいう強さがあり、そういうものもこの試合で見て取れたのですが、今回は出足から長谷川選手の強い攻撃、強く組んで、強く倒し、強く殴るという、全て強く打てるという部分に、門馬選手は緩急を使わせてもらえませんでした。今回言っている強い選手というのは、波状攻撃が出来るので緩急を使わなくて良いんです。それに対して上手い選手が緩急を使っても、逃げになってしまいます。そして崩されてしまうという形になってしまうところが、今回の「BRAVE TOUR」最終戦の後楽園ホール大会で凄く見えました。

それ故に、長谷川選手の印象が物凄く強く、この日のMVPは長谷川選手です。2005年はタイトル挑戦権を与えるべきです。選手というのは旬があります。一番強い時に光り輝かせてあげる事が団体の凄く重要な事で、良い機会を与え、日の目を見させてあげる事です。それがパンクラス・ウェルター級の水準の高さを作っていく事になります。逆に小手先、駆け引きで闘う選手を減らしたいなと思います。魂が前に出て来るような闘いをしてくれる選手が物凄く必要です。何故なら、それが強さだからです。以前から言ってますが、試合の中で“説明書”を使って闘っていく選手は物凄く嫌いです。負けないかもしれませんが、何の魅力もありません。人様に見せるものですから、お客様が何を期待しているのか? それは強さです。絶対的な揺るぎ無い強さです。その部分で言えば、長谷川選手は入場から退場まで威風堂々としてもらいたいです。そしてチャンピオンになってもらいたいというのが、この日の一押し、MVPの長谷川選手です。門馬選手も凄くタフに闘い、良かったのですが、長谷川選手の光と強さの中にはかすれてしまいました。門馬選手も仕切り直して頑張ってもらいたいと思いますし、長谷川選手は2005年、直ぐにでも是非チャンピオンになって欲しいです。今、長谷川選手はそれに値する男です。

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