試合の感想からお願いします。
佐藤光留:(1本勝ちが)5年振りじゃないですかね? デビュー2戦目の文体(横浜文化体育館)で、アームロックで勝って以来です。

スタンドの打撃で攻めてましたが、それは作戦ですか?
佐藤光留:『プロ・アマ キャッチ』の時に実は脚をケガしまして。右脚なんですけど。会場に来る時も脚を引き摺っている様な状態で、(膝)靭帯と足首を。今日になってやっと試合が出来るか出来ないかが判ったぐらいで、本当に無理矢理ですけど、やらしてくれと言って、(リングに)上がって行ったので。(試合中)タックルに入ったんですけど、やっぱりいつもより後ろの足が効かなくて、(タックルが)取れなかったので、これは打撃で行くしかないと言うか、打撃しか無かったですね。というのが正直な感想と言うか。脚が使えたら組んで行きたかったです。重量級、100kg近い人相手に総合で試合が決まってから、『プロ・アマ キャッチ』に出て、自分の組み技が、ismの組み技がどういうものかというのが判ったので、ちょっと興味があったと言うか。寝技で行きたかったんですけど、でも結局そこまで行かなかったので。結果的に打撃で倒しましたけど。

自分の中では総合で勝負したかったと?
佐藤光留:何て言うんだろう。これしか(打撃)無かったですね。試合を止めるのは簡単な話しなんですけど、自分で止めると言ったら絶対に止められるケガだったので。でも、自分の出来る事だけをやって勝ちました、「これがパンクラスです」って言っても観てる人に伝わるわけ無いし、近藤さんが言った「勝つパンクラス」ってそんなもんじゃないし。(使える箇所が無ければ)無きゃ無いで、何とかします。それが僕のパンクラスismです。鈴木さんから教わった、鈴木さんの横で生きて来た、今必死で試合してる伊藤さんの下で、皆で頑張って来た、パンクラスです。

無差別に臨んだ心境は如何ですか?
佐藤光留:単純に組んだだけでデカいなと思ったりしましたけど、じゃあその分速く動けば良いじゃん、という。『プロ・アマ キャッチ』に出て、-100kg級でやって、-100kg級なのに105kgの人とかいましたけど(笑)。でも、そういう人とやっても自分の持ってるスピード、絶対これは負けてないという。誰よりも速く動ける自信は無いです。ただ、誰よりも速く動いてやろうという覚悟があるんですよ、今。それは、ismの皆に、とは思わないですけど、気付いてる人間にはあるんじゃないですか? 思いますよ。多分、皆、世界最強の自信って無いと思うんです。でもなろうという覚悟は皆強いですね。あると思うんですよ、本当に。自分より軽い人と総合格闘技で、凄い動きが速いと言われている人と試合しても、スピードで負けたくないですから。それが体重が重い相手だったら、それが自分の飛沫ですから。

今回、対戦選手が変りましたが?
佐藤光留:相手を選んでいたら、それは無差別ではないですよ。差別です。区別ですし、こいつだったらやっても良いけど、こいつとはやんないって言ったら差別ですよ。僕は体重とか体の大きさもそうですけど、それ以外の物で勝負したいですから。絶対に負けられないというのは変わらなかったです。でも、小谷野選手と言った時に、道場の空気が冷やっとしたのは確かですね。

今後、無差別での闘いははどうして行きますか?
佐藤光留:カードが発表になったら聞きに来て下さい(笑)。でも、始まった無差別を簡単に終わらせたくないですね。もっとたくさんの人が観に来てくれないと。その為には、今回は絶対無理だという選手にもっと勝たないと。持ち上げて行かないと。

パンクラスの無差別と言うと、トップはパンクラスの選手では無いですね。
佐藤光留:大晦日(『PRIDE』)に近藤さんの控え室にバーネット選手が来たんですけど、明らかに僕の事をナメてましたからね。絶対にやってやると。

バーネット選手の眼中に入らねばなりませんね。
佐藤光留:ブンブン蝿みたく飛んでやりますよ。イライライライラさせてやる。

脚のケガの事を教えて下さい。
佐藤光留:『プロ・アマ キャッチ』の1回戦で、サンボをしている人と試合をした時に、僕も足を取ってたんですけど、相手が力ずくでヒールホールドに来た時に、痛かったし、音もボロボロ鳴ってたんですけど、我慢出来たと言うか。そんなに痛みを感じなかったと言うのと、僕も足を取ってたし、こんなところで負けてられないなという気持ちで。その後も普通に試合が出来たので。ギリギリ勝ちでしたけど。だから今日も出来ると思ってたので。ただ、優秀な治療のスタッフが付いていて、優秀な機械とか道具があっても、僕が、やってる本人が出来ないと思ったら、何も出来ないですからね。脚が動いたのが奇跡ですからね。それぐらい重病だったんですよ。奇跡って起こるモノじゃ無くて、自分で起こすモノですから。本人が起きないと思ってる奇跡は起きないですね。偶然じゃないです、必然です。

そういう満身創痍で闘って、今日は自信がつきましたか?
佐藤光留:自信にはならないですね。また同じ事やったらビビリますからね。それでも何とかしてやろうという覚悟を持って。ismですから。やって行きます。

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