第2試合 ライト級戦 5分2ラウンド

矢野卓見
(烏合会)

滝田J太郎
(和術慧舟會東京本部)
1R 2分15秒、ギブアップ/アンクルホールド
■矢野卓見(67.9kg)
■滝田J太郎(68.2kg)
レフェリー:大藪吉郁

選手の印象通り、動きの無い矢野選手に対し、スピーディーな動きを身上とする滝田選手の対戦でした。それぞれプロとして自分の色を持つ両者の試合は、左右の構えの見切りで相手との確かな距離を取り、そして見て行く矢野選手、対して前後のスピードのあるフットワークで距離を詰めて行こうとする滝田選手の闘いでした。序盤は滝田選手が主導権を握り出入りをして行く展開でしたが、一旦組んでしまうと、いつも関節のスパイラルを掛けて行く矢野選手ですから、その接触したポイントを早く解かないと多重に色んな所に罠を仕掛けられてしまい、そして矢野選手は見た目よりも組力が強いので、関節が思い通りにならなくなって結局動かせる方向が限定され、最後は矢野選手のペースになってしまいます。矢野選手はあっちにこっちに振りをするタイプですが、そんな形の中で足首を取り、最初に取った所を一気に巻き込みました。矢野選手は極め方も上手く、関節技はポイントに入ると一瞬で極まるので、掛けられた相手が粘ってる時は、技が未完成で力で絞めて壊さなければなりませんが、今回はスパッと取りポイントを取れたので、さすがの滝田選手も耐えられませんでした。

技を極めかけ、1本取ろうというところで、矢野選手は力ではいかないので、相手を気遣いながら技に強弱をつけたと思いますが、その流れのあまりの巧みさに、滝田選手が声を上げた時点で大藪レフェリーも試合を止めたので、レフェリーストップ、ギブアップという判断をして試合を終了させて良かった、というより終わらせなければいけなかったと思いますが、そこのところで試合を再開させてしまい、少しごたごたとしてしまいましたが、結果は全く変りませんでした。審判部としては、こういうところで裁定をしっかり下せるよう、益々勉強を重ね、お客様、選手に迷惑が掛からないように努力してまいりますので、重ねて今後も見守って下さい。滝田選手はパンクラス初戦ですが、2分弱の試合で能力が十分伝わって来ましたから、再びリングに上がっていただき、自分の水準の高さを見せてもらいたいと思います。矢野選手、彼には哲学がありますので、見ていて楽しいです。

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