第5試合 第2代ウェルター級王者 決定4人トーナメント 第2試合 5分3ラウンド
ランキング1位
長谷川秀彦
(SKアブソリュート)
ランキング7位
北岡悟
(パンクラスism)
3R 5分00秒、判定/1-2
判定:廣戸聡一(30-30:北岡優勢)梅木良則(30-30:北岡優勢)和田良覚(30-30:長谷川優勢)
■長谷川秀彦(74.95kg) セコンド:松本天心
■北岡悟(74.95kg) セコンド:近藤有己、大石幸史
レフェリー:岡本浩稔

 サブレフェリーが私と梅木レフェリー、ジャッジが和田レフェリーとで、3者【30-30】のドローとなっています。試合はトーナメントの一環ということもあり、そこからまた優劣をつけなくてはいけないルールでした。私と梅木レフェリーが北岡選手、和田レフェリーが長谷川選手をマークしての【2-1】でした。

 試合は、終始北岡選手が自分の形の中で追い込み、長谷川選手が入ってきたものに対処しながらポジショニング、もしくはコーナーに追い詰められれば詰め、または組んできたものを切りながら、自分のポジションで攻撃をしました。北岡選手は何とか自分のポジションで入っていきながら、逆にテークダウンを取り、自分のポジションをグラウンドで確立していきました。そして上になった北岡選手を、長谷川選手は膝ないし足首を狙い、北岡選手はそれを切ってパウンド、そして足への関節技を逆に狙っていくという攻防が3ラウンドを通して続きました。

 試合後、梅木レフェリーとも話をしましたが、やはり私たちが取ったのは積極性という事です。両選手ともに良い形で関節を取りにいく部分では互角だったと思います。和田レフェリーも含め3者ともに、両選手の技の有効性は相殺しました。要するに、それぞれのポイントでそれぞれの減点を相殺した、という事です。それで【30-30】のドローというところで、何が残ったのか? 優劣の差になったのか?というと、長谷川選手の技を仕掛けるところを和田レフェリーがとり、試合全体で常に相手にプレッシャーをかけながら最初に自分から入っていく、積極的に進めていくというリスクを負いながら、相手を翻弄して自分のポジションを作ってから攻撃するという、一行程多く試合を進めていた北岡選手の積極性を取ったのが私と梅木レフェリーでした。その部分での勝敗の差になったというところだと思います。さすがにウェルター級は水準が高いですから、見応えのある試合でした。これが決勝戦だと言っても過言ではない内容だったと思います。その中で北岡選手が勝ったということで、強い弱いと言うよりは、どうしても決勝まで行きたいという、そういう強いアピール、そういうものの人間的素養、そういうものの差になった様な気がします。長谷川選手がそうではないという事ではなく、北岡選手がその部分で、やや上回ったじかなということだと思います。素晴らしい良い試合でした。

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