第2試合 フェザー級戦 5分2ラウンド

藤本直治
(パンクラス稲垣組)

島田賢二
(パンクラスP'sLAB東京)
2R 5分00秒、判定/3-0
判定:梅木良則(20-19)廣戸聡一(20-19)松宮智生(20-18)
■藤本直治(63.8kg)
■島田賢二(63.1kg)
レフェリー:小菅賢次

 島田選手はプロデビュー戦で、P'sLAB東京からの参戦という事で、パンクラスの東西対抗戦という形になりました。藤本選手は相変わらず自分の動きの中ですごく体が切れていて、良く練習しているなというのが見てとれました。一方島田選手は、アマチュアの中で試合をいっぱいこなしていますので、パンクラスのプロデビュー戦という形にはなりますが、試合慣れはしていますので、見劣りしない試合展開だったと思います。ただ、判定で差が付いてしまったのは、藤本選手の極めに入る体勢、その部分がすごく見てとれた差だったと思います。技一つ一つが一本を取りにいくというイメージが強く出ていたところに差があった様な気がします。これは稲垣組の特徴だと思います。これは稲垣組長の指導方法がものすごくシンプルだからです。良い意味で言うと、旗揚げメンバーの頃の秒殺イメージを打ち立ててきた世代の特産物みたいなものであるのかも知れません。

 昔の格闘技の練習はそういうものでした。いわゆる現象が起きたらすぐに対処していく事、というのを口喧しく言われました。今は何手先を読む、その様なイメージがすごくあり、ある意味ゆとりがあると言えばあるのですが、「こうきてこうなる」というプロセスの流れがあって、そのセオリー通りに技をかけていくというのが常になりつつあります。ですが、現在どのリングでも強い選手は、突如やってくるフィニッシュ、1発目から思い切り打っていく、要するにコンビネーションで倒すという事ではなく、いきなり強いものが飛んで来るという、結果がものすごく近い、そういう意味のものが、いわゆる積極性、総合的な攻撃力というところで見てとれます。稲垣組の選手が、総体的に今のパンクラスのリングの中で高い勝率を誇り、一時のGRABAKAの選手に見てとれた勝負の早さというものがこの試合の中で藤本選手に見えた。そんな試合でした。

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