第2試合 ライト級戦 5分2ラウンド

矢野卓見
(烏合会)

NUKINPO!
(パンクラスP'sLAB東京)
2R 3分48秒、TKO(レフェリーストップ)/アームバー
■矢野卓見(68.6kg)
■NUKINPO!(68.2kg) セコンド:北岡悟
レフェリー:梅木良則

 ある意味、矢野選手としてはNUKINPO!選手は少し苦手なタイプの選手かも知れません。同じクラスの選手としては体の厚みもありますし、NUKINPO!選手は続けざまに色々な事が出来る選手で、更に打撃の技術も上がっており、思い切りの良いタックルでテークダウンを取りにいこうとする選手でもあり、技を仕掛ける勇気もあります。そういう意味で相手をじっくり見て、相手にもじっくり見させ、考えさせながら攻撃をさせて、その部分を察知しながら技を構成し、相手の動きを封じていく矢野選手の世界からすると、一切絡もうとせず、ドンドン出ていくNUKINPO!選手は、闘い難かったのではないかと思います。1ラウンドの序盤はNUKINPO!選手が取り、判定用紙では3者ともNUKINPO!選手でした。そういう意味ではNUKINPO!選手の色が凄く良く出ていたと思います。久しぶりに矢野選手が困惑する姿を見ました。NUKINPO!選手のローキックも効いていたし、コンビネーションも良く、矢野選手のいつものはす構え自体が上手く使えない状態でした。それだけNUKINPO!選手の足が良く動いていたと評価すべきです。立ってNUKINPO!選手、それに対してどうやって組んで矢野選手が自分の形に持ち込めるか?という感じでした。2ラウンドの1分過ぎ程に、ロープ際でNUKINPO!選手が矢野選手を追い込むところから始まり、ポジションを入れ替えながらスタンドでNUKINPO!選手の腕を取って、最終的にはアームバーへ矢野選手は移行しました。矢野選手は元々腕を絡めていく技が得意のようです。それに対してNUKINPO!選手は、そのような技に対して苦手な部分があり、得意と苦手の凹凸が上手くハマった形でした。自分の有利な形に何とか持ち込んで、仕損じをせず、キッチリ自分の形にした、やはり矢野選手の実力勝ちだと思います。ある意味逆転勝利と言っても良いかも知れません。結果としてTKOという形になりましたが、1ラウンドにあれだけ追い込んだNUKINPO!選手は、組んだ後の事、組むという意識の中で今回と同様の打撃が使えるならば、もっと矢野選手を追い込めると思います。ファイティングスタイルのイメージを新たに変え、もっと高い所に臨んでもらいたいです。良い試合でした。

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