第3試合 ウェルター級戦 5分2ラウンド
ランキング3位
長谷川秀彦
(SKアブソリュート)

関直喜
(フリー)
1R 1分59秒、ギブアップ/アキレス腱固め
■長谷川秀彦(74.9kg) セコンド:松本天心
■関直喜(73.8kg) セコンド:高阪剛、滑川康仁
レフェリー:梅木良則

 関選手はフリーでパンクラスに参戦し、試合を重ねてきていますが、やはり関選手も良く練習をしている選手だなという印象で毎回たたずまいが変わるので、今回はどんな活躍をしてくれるのかという期待がありました。長谷川選手は前回判定で惜しくも敗れはしましたが、上手い選手とう言うより強い選手で、そして自信のあるバックボーンがあり自分の形をしっかり持っていますから、相手選手もそこに持ち込もれてはいけないとういう事を理解して対峙してますので、そういう点では自分の形をどの様に貫くかというところで、より一層の実績を作っていってもらいたいなと思いました。

 試合は、立ち技でどう追い込んでいくかという関選手の立ち上がりと、それをどう凌ぎ、引き込み、自分の形に持ち込んでいくかという、長谷川選手の試合の流れがぶつかる形となりました。動き出したのが1分過ぎで、序盤に打撃で前へ出ていく関選手を、長谷川選手がディフェンスしながら引き込むタイミングを狙うという展開でした。その中で寝技、立ち技の形になるなら、第1接点の組み技の時点でそれをどう制するかが鍵になります。そこがお互い譲り合えない状態で、そこから立ち技でスムーズに組んでいくのか、組んでからスムーズに寝技にいけるのか、というところでの、お互い妥協出来ない局面でした。ですが、長谷川選手は基本的な小さな崩しの中から、内がけ外がけで自分の形に持ち込み、寝技にいきました。フィニッシュは見辛い極め方だったので、アキレス腱固めっぽっくなかったと思いますが、決定率が高いです技でした。先の矢野選手のアームバーもそうですが、力で無理やりに持っていってはいません。極めるのに不十分だと思ったら、直ぐに修正してもう1度かけ直しています。これは映像で見ていただければわかりますが、矢野選手も同様で、実にきちんとした、医学的に向けてはいけない角度で技をかけています。一番初めに取りに行った時に、いかに自分の形でしっかり取れているかという所で、仕掛けから極めるまで短時間なのが、寝技師の技術力の高さだと思います。決して仕掛ける技の数や種類がどうだとか言う事ではなく、形に入った時の決定率の高さが長谷川選手の真骨頂で、そこが他の追随を許さない技術力の高さとして評価しています。ウェルター級は層が厚いですから、その中でどうやって次の段階に繋げていくのか? その部分を大切にして、長谷川選手の次の試合は大注目!です。

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