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■ メインイベント ミドル級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチ 5分3ラウンド |
第5代王者
ネイサン・マーコート
(ハイ・アルティチュード) |
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ランキング1位
竹内出
(SKアブソリュート)
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3R 2分10秒、レフェリーストップ/チョークスリーパー |
■ネイサン・マーコート(81.8kg)
■竹内出(81.9kg) セコンド:松本天心、和田拓也
レフェリー:廣戸聡一
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この対戦は3度目となります。竹内選手のパンクラス初試合で対戦し、スタミナの切れたマーコート選手を竹内選手が追い込んで勝利した試合でした。第2戦目は、今度はマーコート選手が竹内選手を得意のスタンドの打撃で完膚なきまでに追い込み、KO勝利で1勝1敗にしました。この過去の2戦を受けての第3戦で、しかもタイトルマッチで、ファンならずとも注目の一戦となりました。
試合は、竹内選手がヘッドスリップをしながらマーコート選手の懐にに入っていくという、意外な戦術に出ました。個人的な意見としては、普段通りに闘った方がマーコート選手は闘い難かったと思います。「竹内選手がバランスを崩していたので、意外に闘い易かった」とマーコート選手も試合後に言ってました。そういう意味では、竹内選手らしくいった方が良かったと思います。ヘッドスリップをやり過ぎて、相手を良く見れなかった事、ヘッドスリップをする事で、バランスを崩しながらマーコート選手に対峙していく姿が見て取れました。そういう点では残念な立ち上がりでした。逆にマーコート選手はヘッドスリップをする竹内選手を的確に捕らえています。手足の距離に上手く応じて攻めていき、その中でポイントを重ねていって、竹内選手としてはダメージを重ねられていく展開でした。2ラウンド目は攻め疲れたのか、そのマーコート選手を竹内選手が執拗にスタンドレスリングからテークダウンに持ち込もうという、竹内選手のラウンドになってきました。ただ、マーコート選手がさすがなのは、最後までコンプリートさせません。良い形に入る前に、得意の形からサイドに切り替えしてみたり、上下に切り替えしてみたり、決手力を与えませんでした。逆にグラウンドで上を制した後に、細かいパンチで竹内選手を抑えていく様なところではさすがでした。一回ヒールホールドに入りかかったところが竹内選手の最大の山場だった様な気がします。あそこで仕留められなかったのは残念だなという感じがしました。逆にその展開で足を早めに引き抜き、次の展開に持っていくところ自体がマーコート選手はチャンピオンたる所以ですし、そこは本当に素晴らしいです。最終的には両者とも疲れて、ダメージが出てきての3ラウンド目、再びマーコート選手の打撃がやや優位な形で展開していき、打撃を嫌った竹内選手が背中を見せたところで、マーコート選手がチョークに移行しました。それにしても完全に入ってしまいましたので、早めに止めても良かったのですが、竹内選手が中々ギブアップをしなかったので、様子を見ている間に竹内選手が落ちてしまい、そこで試合終了という形でした。ただ、マーコート選手も竹内選手を危険視しているのだと思いますが、最後の場面を映像で見ていただければわかりますが、マーコート選手は終了直後、直ぐには立ち上がれませんでした。これは決して疲れてそうであったのではなく、さりとて防衛をして感涙していたわけでもありません。何かと言えば、一度取ったチャンスを絶対に逃すまいとして思い切りしめたので、左背筋が肉離れの様につってしまい、痛めてしまいました。竹内選手はそれぐらい精神的にマーコート選手を追い込んでいましたし、逆にそれでもなお思い切りの良い技で仕留めたマーコート選手。本当にタイトルマッチに相応しい展開でした。マーコート選手は結構背中にダメージがありましたので、試合後治療に行きましたが、「本当にヘビーな試合だった」とマーコート選手は語っていました。竹内選手にしてみれば、もう少し自分らしさが出せたらまた違った展開になったのかなと残念ではありましたが、タイトルマッチとして恥ずかしくない内容だったので、この次の竹内選手の復活劇が見たいと思います。
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