： 今日の試合の感想は？ ■ 高橋義生：疲れました。 ： 対戦してみて、桜木選手はいかがでした？ ■ 高橋義生：いやぁ、強かったですよ。強かったですね。 ： それはパンチが強かったという事ですか？ ■ 高橋義生：ん〜、パンチよりも間合いが強かった。今までの中では結構やりにくい間合いでしたね。僕が作戦を変えたっていうのもあったのでアレなんですけど。 ： 作戦を変えたというのは？ ■ 高橋義生：今日は打撃を一発も出してないんで、僕。今日はノックアウトじゃなくて、一本勝ちしか考えてなかったんで。そこですよね。 ： それはどうしてでしょうか？ ■ 高橋義生：vs(イゴール・)ボブチャンチン戦が終わって、例えば今日、桜木君とまた殴り合いをしてノックアウトで勝ったとした場合、僕はただの“日本の殴り者”であって、世界では通用しない“殴り者”で終わるだけじゃないですか。それじゃ意味無いって思ったんですよね。だから、vsボブチャンチン戦が終わってから、これから僕が格闘技を続けていく上で何が大切なのか？ 何をすべきなのか？ っていう事だけに集中して、今日まで練習してきたので。それが今日のこの結果だと思いますね。 ： 最後の決まり方は理想的だったのでしょうか？ ■ 高橋義生：そうですね。一応手順通りに、僕がTK(高阪 剛選手)に教えてもらった通り、言う事を聞いてただけなので。生まれて初めてですね。寝技で、「関節で勝つ」って決めてリングに上がったのは。ただ、今日はパンチ一発も出さないって決めてたので、すごい怖かったです。本当に。(相手の)パンチが重たいから。 ： 最初はお見合いの状態が長く続きました。 ■ 高橋義生：そうですね。タイミングを計って。彼が何を考えていたのかはわからないですけど、僕はタイミングを計るのでいっぱいいっぱいだったので。最終的にタイミングがどうしても計れなかったから、もう右ストレート一発は食らおうと。食らってタイミングを計って、それで2発目にストレートが出た時に、そのストレートをかいくぐってタックルに入ってっていう考えだったので。ストレートはやっぱり痛かったですけど、自分でもらう気でもらったから、そんなには効かなかったですね。その後のハイキックの方が怖かったですね。続けざまにハイキックが出てきてたので。ビックリしましたね。久々に、何年ぶりかでハイキックをググッてよけました。 ： 上になった時、相手の下からのパンチに自分から頭やおでこを当てにいってましたが、あれは何かの意思表示でしょうか？ ■ 高橋義生：いえ、ハッタリです。「お前のパンチは効かねぇぞ」っていう。痛いんですよ、だってあれ。痛いから、痛いから、そんなに殴んないでくれよって。「お前のパンチ効かねぇぞ」って顔をしてれば殴んないかなって思って(笑)。 ： 今後の目標などについてはどう考えていますか？ ■ 高橋義生：パンクラスのリング内に関しては、早々にもう一回試合が出来れば良いなって思ってますね。仮にベルトの事に関してだと、桜木君がベルトを獲った場合は、もう思いっきり殴られに、(ベルトを)獲りに行きます。その時は僕も打撃を出して、ドンドン殴り合いをして、桜木君に殴られに行きます。ただ、僕自身がそれ以外の事でベルトを獲りに行くっていうのは、無いですね。野地(竜太)君が獲ろうが誰が獲ろうが、僕には関係の無いベルトです。パンクラスのベルトは。唯一、桜木君が獲った時だけ殴られに行きます。挑戦権無いって言われたら嫌ですけど(笑)。 ： 無差別級のベルトに関してはいかがですか？ ■ 高橋義生：そこですよね。そこに辿り着くまでのこれが今日だったので。結局、ホントやっぱり、僕はただの“日本の殴り者”じゃ無いって事をこれからドンドン証明していかなきゃいけないんで。これでまず第一段階クリアという形で、次はまたもうちょっと違った形で、例えばヒールホールドを仕掛けたりとかしちゃうかも知れないですし。それを狙いつつノックアウトで勝つかも知れないですし。こうやって色々と僕の世界が広がったので。今日を節目にして。だから、これからまた変われると思います、僕は。だからそういうふうにしていけば、また無差別級のベルトも近づいてくるんじゃないかと思いますね。 ： 試合に勝ったら、謙吾選手とアライ(ケンジ)選手に伝えたいことがあるという事でしたが？ ■ 高橋義生：アライには伝えたい事は何も無いですよ。謙吾にだけ伝えたい事がありましたから。それは謙吾には言いました、もう。 ： どういった内容の事ですか？ ■ 高橋義生：それはここでは言えない事ですね。まぁ、アライも謙吾も2人とも僕を慕って付いて来てくれてるので、あいつらに恥さらしになる様な真似だけは絶対にしないようにしていこうっていうのが僕のやり方ですし。僕は人の上に立つっていうのが得意じゃないので。もう、何て言うんですかね？ 自分でやって、「これが俺にも出来るんだから、お前らも出来るだろ』って言うしかないんですよ、僕は。「背中を見て付いて来い」とか、そういうタイプじゃないので。だからもう、1つずつ僕がやる事をやって、それをあいつらに見せて、あいつらがそれをやってくれるかどうかは、それに賭けるしかないんですね、僕の場合は。だから、付いて来れないと思ったら止めるでしょうし。そこはだから、とりあえず伝えたい事は伝えましたから。 ： チーム名は決まりましたか？ ■ 高橋義生：いや、決まらないです。よ〜く考えましたけどね、やっぱり俺がパンクラスですから。今もう、旗揚げメンバーが誰もいなくなった中、さっき佐藤(光留)も言ってましたけど、色々『チーム何とか』がありますけど、僕が旗揚げした時には『パンクラス』しか無かったんですよ。僕と船木(誠勝)さんと鈴木(みのる)さんと冨宅(飛駈)さんと稲垣(克臣)と柳澤(龍志)と國奥(麒樹真)だけで『パンクラス』って名前でやってきたので。今はみんないなくなっちゃいましたけど、僕は残ってますから。僕がパンクラスです。近藤(有己)はパンクラスの“エース”です。僕はエースではないですけど、「僕がパンクラスです」っていう自信と自覚を持って、名前は付けません。 ： 今後、外のリングで闘う事に関してはいかがですか？ ■ 高橋義生：いや〜、まだパンクラスに上がりますね。もうちょっとやりたい事もあるので。そうですね。考えます。でも、しばらくはパンクラスだけで。 ■ 高橋義生選手database