第7試合 ヘビー級戦 5分2ラウンド

松井大二郎
(高田道場)

エルヴィス・シノシック
(マチャド・ブラジリアン柔術)
2R 5分00秒、判定/1-1
判定:廣戸聡一(20-19)、梅木良則(19-20)、松宮智生(20-20)
■松井大二郎(92.1kg) セコンド:豊永稔
■エルヴィス・シノシック(95.4kg)
レフェリー:廣戸聡一

シノシック選手は、まず上手い選手という印象です。近頃のブラジルの柔術系の選手というのは、パウンドもパンチもこなせ、グラップリングも利かせ、しかも相手のボディーコントロールも上手い、凄くプレッシャーの強いイメージがあったのですが、久しぶりに柔術らしい闘いで、目先を変えられた、そんな選手でした。それに対する松井選手は、デビューの頃から一貫して、積極的に前に出て、色んな技を仕掛けていくという選手で、今回もたいへん松井選手らしい闘い方をしてくれました。その中で序盤にシノシック選手の放ったローキックが、タックルに入った松井選手のローブローに入ってしまい、ちょっと試合が中断しましたが、そのダメージを引きずる事無くフルタイム闘った松井選手には根性を感じました。グラウンドの攻防では、下から仕掛けてくるシノシック選手を松井選手はサイドに崩して、自分の形にしていきました。立ち技で主導権を先に取られ、良いパンチを貰いながらも、持ち前の打たれ強さでテイクダウンを取って行きました。シノシック選手の面白みである、要所の極め、ガードの強さ。松井選手の積極的に出るスリリングさ、圧力、それからテイクダウンを取って行って、自分の形を作って行く、らしさ。そのいずれかを取るかが判定の分かれ道だったという事です。いずれも最後の極めまでは持って来られなかった拮抗した部分が、判定の1-1-1という形になったのだと思います。ある意味、究極のドロー判定というのは1-1-1なのかもしれないな、という気がします。

松井選手は今回、急な参戦ではあったのですが、このままパンクラスのヘビー級でベルトを狙ってくると、色々な選手が刺激を受けると思うので、継続参戦してもらいたいと思います。実は松井選手とは、彼が国際武道大学時代からの知り合いです。私が親交のあった柔道選手が当時いて、その時に友人という事で紹介して頂きました。人生に悪戯があったなら、もしかしたら松井選手はパンクラスに来てくれていたかもしれなかったのですが、そういう意味では古い友人がひょっこり尋ねて来てくれた感じがして、試合前に松井選手がアップしている時に簡単に挨拶したのですが、懐かしかったです。またこの次に期待したいです。

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