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■ セミファイナル ウェルター級戦 5分3ラウンド |
ランキング1位
北岡悟
(パンクラスism) |
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トーマス・シュルツ
(ファイターズ・イン・トレーニング)
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1R 1分11秒、ギブアップ/ヒールホールド |
■北岡悟(74.9kg) セコンド:近藤有己、大石幸史
■トーマス・シュルツ(74.7kg)
レフェリー:廣戸聡一
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この試合は北岡選手の気合勝ちでした。それは一時の迸る気合ではなく、このリングに上がるまでに、北岡選手がどの位の気合を入れて来たかという事がしのばれる様な、そういう試合でした。シュルツ選手は『キング・オブ・ザ・ケージ』の元ライト級王者ということで、北岡選手がどの様に胸を借りるかという様な立場で考えられていましたが、北岡 悟という選手がこの短期間でどれ位成長しているかという事をまざまざと見させられた試合でした。“パンクラスism”の名のもと、進化を続けている男の覚悟が見える、7月10日の試合だったと思います。特に後半、佐藤選手から続き、パンクラスの3選手が勝利し、その覚悟が見て取れたのは素晴らしい事だと思います。
試合は開始早々、細かいパンチを駆使してリズムを作りたいシュルツ選手に対し、北岡選手は今回足でかわしている事に注目して下さい。以前の様に頭を振り、上半身のムーブメントをかけないで、自分の足で角度を変えたりしながら仕掛けているところに注目してもらいたいです。
組んでからのボディーコントロールは圧巻でした。多分、シュルツ選手は、我々が見ているよりも、かなりのボディープレッシャーを感じていたと思います。筋力を使わない圧力というものを、北岡選手が使える様になって来ている事、それがああいう形での速く的確に動きながら、一気に極めを持っていくことに繋がったと思います。試合後に控え室で、シュルツ選手の治療を行いましたが、きれいに壊れていましたので、そういう点では、本当に的確に壊したという感じです。その時に丁度北岡選手が来て、シュルツ選手と簡単に話をして、怪我を気遣っていましたが、シュルツ選手も悔しいけど、尊敬をしているという事を北岡選手に伝えていました。シュルツ選手は北岡選手が戻った後、また練習を積んで強くなって来ると言っていましたが、そう言わしめる程に完璧な試合でした。北岡選手が、まさかこれ程の選手を秒殺するとは思っていませんでしたから、そういう意味では、先程玉海力選手達の話をしていますが、時間をかけ一点を見つめて前に出て来ている人間というのは、どこかでちゃんと開花する様になっています。そんなことを感じさせる北岡選手の豪快な秒殺勝利でした。
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