第6試合 第11回ネオブラッド・トーナメント ウェルター級決勝戦 5分2ラウンド

本田朝樹
(パンクラスP'sLAB横浜)

小路伸亮
(KILLER BEE)
2R 5分00秒、判定/0-3
判定:廣戸聡一(17-20)松宮智生(18-20)梅木良則(18-20)
■本田朝樹(74.9kg) セコンド:佐藤光留
■小路伸亮(74.7kg) セコンド:山本篤
レフェリー:和田良覚

試合開始2分迄は、お互い様子を見あっていました。ですが、何に好感が持てたかと言ったら、見合っていながら両選手引く事無く、気を抜く事無く、激しい攻防の出入りという形でした。小路選手が良いパンチを貰い、ちょっと焦る顔を、このトーナメントで初めて見ました。そういう意味では本田選手も良くがんばったと思います。ただ小路選手はグレコローマンレスリング出身という事で、バックボーンの厚さといいますか、そういうものの差を感じました。やはり1ラウンド中盤から、勝負所での間合いの詰め方、入り方、技の展開の仕方等に、一気に経験値の差を見ました。風貌からすると、凄くヒートしている感じの選手に見えるのですが、いやいや、やはりさすがグレコで全日本級のレベルでやっている選手です。大変クレバーです。色々な物が目に入り、耳に入り、考えながら、考えながら余計な事を一切しない様に、勝つ為に必要な事だけを淡々と遂行しているという部分では、とてもクレバーです。そして自分の本質、それからリングのファイターとしての顔を、両方ちゃんと自分で認識出来ているというところで凄く良い選手だなと思いましたし、そういう意味ではプロ向きの選手です。
本田選手は最後まで心を折らず、必死に食らい付き、逆転でも何とか1本を取りに行くんだというところでは凄く好感の持てる試合だったと思います。ポイントでは最大17-20という3ポイント以上の差が付きましたので、そういう意味では小路選手の圧勝でしたが、この圧勝はほんのちょっとしたことから生まれて来るものであって、圧倒的な実力差ではありません。ですからその様な意味では、本田選手も今後プロらしい練習をしてくるとまた変わってくるのではないかなと思います。こういう悔しさが実は凄く大切です。結果よりも、悔しいと思ってリングを下りた事の方が重要です。小路選手はこれできっかけを作って、優れた身体能力で、ますます結果を出していって貰いたいと思います。

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