メインイベント ウェルター級戦 5分3ラウンド
ランキング3位
大石幸史
(パンクラスism)

ネイサン・ディアズ
(シーザー・グレイシー・アカデミー)
3R 5分00秒、判定/3-0
判定:松宮智生(30-28)梅木良則()30-27小菅賢次(30-27)
■大石幸史(74.9kg) セコンド:北岡悟、岩崎達也
■ネイサン・ディアズ(74.4kg) セコンド:ニック・ディアズ
レフェリー:廣戸聡一

序盤から大石選手がじわじわと間合いを詰めて、踏み込んで、リードパンチを出しながら間合いを詰めて行きました。それに対してディアズ選手はクロスしながら大きく半身をして、体を真横に向け距離感を出しながら、打撃に備え時折大きなストレートを出して来る、そんな立合いの構図でした。意外にこの様な選手はパンチがフリッカー的に入って来たりするので、リードパンチが伸びてきます。それをかいくぐった大石選手がショートレンジでパンチを繰り出し、またディアズ選手が入ってくるところをカウンターでとらえたりしました。ディアズ選手はときたま伸びるロングパンチを強く打ちに行き、足技も絡めていました。両者グラウンドの攻防まで中々踏み込めず、大きくスタンドの打撃に試合は終始しました。その中で少しずつ自分のペースを掴みながらダメージを与えて行く大石選手の判定勝ちでした。

ただ大石選手は今回の試合でパンチを貰いすぎました。ディアズ選手は決してハードヒッターではないので、そういう意味ではそれが幸いしましたが、これからベルトを巻いたり、色んなリングの強い相手を目指したりと、現在ウェルター級は良い選手が揃っているというところなので、そういう意味では大石選手は、あまりパンチを貰う事はしない方が良いです。やはり頭のダメージというのは戦歴に応じて増えて行きますから、ここ一番の時にダメージが溜まってしまうと、一番ばかばかしい事です。ですからそういう意味では、自分の形を大きく変える事無く行ってもらいたいです。気になった所は、大石選手は以前は足から動いていたのですが、左右に動く時に、頭から動き出している事です。これは不思議なもので、レスリングの下地でパンチが打ちにいけた時の方が、パンチは冴えていました。ボクシングを覚え、上半身を振る事を覚えると、パンチは流れるし、インパクトが無くなってしまうので、意外に倒すパンチが打てなくなってしまいます。ボクシングの試合ならば良い事です。そういう意味では自分が今まで良いペースでハードヒッターの典型的な自分のパターンを作れているのは、下地のレスリングが出来ているからなので、その部分では凄く修正する必要性は大きいと思います。
ディアズ選手は良い選手だったと思いますが、ただ決定打にかけていました。普通なら3ラウンドに入る頃に疲れて心が折れてしまう外国人選手もいない事はないのですが、よく踏みとどまりながら闘ったと思います。相当ダメ-ジも細かく貰っていましたので、しんどい試合だったと思います。そして、大石選手の実力を十分知れた試合だったと思います。まずは大石選手の練習成果を次の試合で見たいです。