(練習生から水を受け取って)
佐藤光留:阿蘇の水が来ましたよ。コンビニに売っていたな、この水(笑)。

試合の感想は?
佐藤光留:ちょっと得体の知れない圧力っていうか、そういうのを感じて、パンチとかバラバラでしたね。もっとできたはずなんですけど、そういうぐっちゃぐっちゃの中で飛行機乗ってきて、何が起こるかわからない、どんな人がいるかも分からない中での勝利というのは必要だと思います。いつも練習してきたことをちゃんと出して、パンチが95点、グラウンドが95点、勝って100点みたいな、そんなんじゃ人間がやる意味はないですよ、ゲームで十分です。ゲームにはゲームの良さがある。同じことが何度もできる。人間にはこの瞬間、見に来てくれた人は1回しかない。そこで首絞めて勝ったと、それが大事だと思いますから。

初めての興行形態ということで、鈴木選手のプロレスルールも含めていろんな試合があった中で、パンクラスルールでメインを取った意味は?
佐藤光留:どうでしょう。一番今日、絶対にこれだけはと思ったのは、一番良かったのが鈴木さんと言われるのは嫌だったので。たしかに鈴木さんが一番有名ですし、みんな鈴木さん目当てで来ているのは分かるんです。ただ鈴木さんの背中にいつまでも乗っかっていたら、鈴木さんに『あとはお前らに任せたよ』と言われたのが『やっぱり任せられねえな』になったらダメですから。あの日の約束は忘れられない、そういう思いがありますから。でも万博みたいで(笑)。最初は熊本の踊りがあって、ムエタイの踊りがあって、秒殺もあってKO劇もあって。そう思ったら、やっぱり鈴木さんはすごくて。キックルールも桜木選手の試合も凄かった。近藤さんと北岡には、ぜひ次は試合を。また北岡に怒られると思うけど(笑)。
僕はメインは3回目なんですよ。プロアマキャッチも入れたら4回目ですね。パンクラスの本戦興行といわれるやつではメインを張ったことは無いですけど。ネオブラッドの予選で長南亮選手とやり…それは長南選手の戦績から消されていますけど(笑)。別にいいんですよ、僕は長南選手に勝ったぞと周りに自慢するのは格好悪いですからね。長南選手はPRIDEのトップで、それはそれでいいんです。と思ったら『DEMOLITION』で中村大介選手とやったら、中村選手は『PRIDE』に出て。キャッチルールで優勝したときの決勝の相手、内藤選手は『HERO'S』に出て。松本天心さんは来年には『U.F.C.』に出るんじゃないかと(笑)。でも最後はお客さんが凄かったですね。絶対にまた出るし、絶対にまた来ようと思います。僕もやっぱりド田舎の子なんで、プロレスラーが来たら夢のようで大騒ぎで2、3日寝られなかったですから。またパンクラスが熊本に来たら、やっぱり寝られないぐらいのことをさせないと。だからこそこれからが大事ですね。

SKアブソリュートというチームはismと正反対な個性の部分がありますが、意識はしましたか?
佐藤光留:いや、まったくしなかったです。だって僕はismの中で浮いているし、SKアブソリュートの総帥ですから、互いにチームの中では異質な存在で。いいんじゃないですか、異質な人対決で。

最後に鈴木選手に飲まされた水のお味は?
佐藤光留:水の味がしました(笑)。帰ってきてリング上で鈴木さんが笑っていると嬉しいですね。運動会で走って転んで、泣きながら帰るとお父さんが『いいんだよ、お前は』と言ってくれるような。まあウチの親父はそんな人じゃなかったけど(笑)。でもまだまだ全然、鈴木さんが出るだけで、あんなに人が来るんですもん。

今日は鈴木選手プロレスと佐藤選手の試合を比べて、勝負になった手ごたえは?
佐藤光留:それはお客さんが感じることですから。今年は、夏休みが一日も無かったので、この間鈴木さんが『夏休みだから』って、急に中村あゆみさんのライブに連れてってもらって。そのときに思ったのは、リングに立っている自分と周りから見ている人とは、凄い差があるんですよね。それを感じちゃって。だから自分の手応えとかは、もういいんです。お客さんに『どうでしたか?』って聞くこともできないですから。真実は1個だけ、今日お客さんが何を考えているのか、面白かったか、いまいちだったか、いろいろ思っている人もいますから。それがある程度事実であれば大丈夫です。あと、どうしても言いたいんですけど、10月の文体に僕も出ます。ケガは無いですから。どうしてもやりたい人が一人いるんです。元『全日本プロレス』の河野(真幸)選手と10月にぜひやらせてくださいと書いておいてください。格闘技vs格闘技をやっている中で、プロレスLOVEvsプロレスLOVEをやりましょうと心の底から思っていますんで、ぜひ受けてくださいと、どこかに書いてください。

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